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正常細胞ががん細胞をはじき出す――細胞の“社会性”利用した治療法 北大が研究資金募る
正常な細胞ががん細胞を排除する仕組みを解明し、予防・治療法を確立する北海道大学のプロジェクトが、クラウドファンディングで研究費を募っている。
正常な細胞はがん細胞を駆逐する――初期がん細胞が周りの正常細胞によって組織から排除されるという細胞間の“社会性”を応用したがんの治療方法を確立するプロジェクトがクラウドファンディングサイト「academist」で研究費用を募っている。支援は3000円(税別)から。
挑戦者である北海道大学・藤田恭之教授は、2005年に「がんの初期段階で、正常な細胞が隣接するがん細胞を認識し、血管などの管腔側にはじき出す能力がある」と発見。同プロジェクトでは、排除のメカニズムに関係する分子を特定し、長い間ブラックボックスとされてきた「がんの初期段階で何が起きているか」の解明を進めるという。
分子の機能をコントロールし、がん細胞の排除を促す薬剤の開発も目指す。藤田教授は「がん細胞を取り巻く“社会性”を利用した、新しいタイプの予防・治療法を確立したい」と意気込む。
支援は3000円から受け付けており、オリジナルキャラクター「押しくら細胞」がデザインされたTシャツや白衣、特別講演会参加権、研究日誌などをリターンとして用意する。
集めた研究費は、細胞を培養するための試薬費、スクリーニングにかかる費用や抗体の作成費用に使われるという。「がんの超初期段階で起こる現象を明らかにし、革新的な予防薬を開発したい。研究室は私と若い研究者の熱気でムンムンしています」(藤田教授)
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