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KADOKAWA編集者が原稿を無断改変 「からくり同心 景」発売中止に
KADOKAWAは、小説「からくり同心景 黒い好敵手」の原稿を担当編集者が無断改変したとして発売中止を決めた。
KADOKAWAは12月24日、25日に角川文庫から発売予定だった谷津矢車さんの小説「からくり同心 景 黒い好敵手」について、担当編集者が無断で原稿を改変していたことが分かったとして発売を中止すると発表した。8月発売のシリーズ第1巻「からくり同心 景」にも同様の改変が見つかり、回収・絶版にする方針だ。
同社によると、谷津さんが校正ゲラを確認中、原稿の改変を発見。編集部で調査したところ、担当編集者による無断改変が多数判明したという。
谷津さんは「中にはキャラクターのせりふなどの小説にとって核である要素にさえ手が加えられていた」と指摘し、「もはやわたしの著作物と胸を張れる代物ではなくなっていた」(谷津さん)として、印刷段階に入っていた同作の発売中止に至ったという。
第1巻「からくり同心 景」にも同様の改変が見られ、回収の上で絶版とし、同シリーズの凍結が決まった。谷津さんは、編集者に憤りをあらわにする一方、不正を早く見抜けなかったことに対し「自責の念に駆られています」とコメント。「結果的に著者であるはずのわたしは、著者にすら責任を負うことのできないものをあなたに届けてしまいました」(谷津さん)としている。
同社は「無断改変は、決して行ってはならないこと」と謝罪した上で、入稿チェック体制の厳重強化、編集者の指導、教育を徹底し、再発防止に努めるという。
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