働く“キラキラ女子”はかっこいい――Web業界のお仕事事情を描く“ITきゅんきゅん系”漫画「彼女のいる彼氏」(4/4 ページ)
Web系企業で働く28歳女子を取り巻く恋と仕事を描くWeb漫画「彼女のいる彼氏」。自身もエンジニアとして働いた経験を持つ作者・矢島光さんのリアルな描写がじわじわ話題を集めている。“キラキラ女子”と2人の男性に囲まれる主人公の未来は――。
読者の方に「咲、全然こじらせてないじゃん!」て言われますけど、そうなんですよね、自称してるけどこじらせてない。でも周りのかわいい子たちと比べちゃって「こじらせてる」って思っちゃう気持ちも分かる。と同時に、ここ最近の展開で「こんなに尻軽だと思わなかった!」ってお叱りの言葉を受けることもあって、それも「だよね」って(笑)。
でも、毎日仕事頑張ってると誰かに頼りたくなったり弱ったりする瞬間ってあるじゃないですか。傍から見たら「おいおい」と思うことでも、捉え方は自分次第で、救う手段にもなるんだよってことを考えてますね。……咲ちゃんを救ってあげたい。君は君の頑張り方があるんだ! そこがこの漫画の今のところのゴールだと思ってます。どう終わるかはまだ全然決まっていないんですが。
スマホで“気持ちがいい”絵を見せるには
――最新話以外はROLAアプリでの配信ですし、スマートフォンから見ている読者が多いと思いますが、制作する上で気をつけていることは。
スマホで見た時の縦の目線の動かし方はすごく意識しています、絵巻物のような。例えば、表情や仕草のちょっとした変化を描くシーンは縦構図だと描きやすいし読みやすい気がしますね。今はフルデジタルで作画しているのですが、原稿用紙にアナログで描いていた時とはまったく違う感覚で、ディスプレイで見ることありきで描いてるなと思います。
とはいえ、画面サイズが制限されている中でどうしたら“気持ちがいい”絵を作れるかは常に試行錯誤しています、もどかしいです。今は恋愛漫画なのでバストアップのショットも多いですが、もし自分がバトン漫画を描くとして、キメのアクションを見開きで「バーン!」とできないのはやっぱり厳しいな……とか。現状だとやっぱり題材によって「向いてる」「向いてない」があるなぁとは思いますね。
でもだからこそ、もっともっと進化できる気がしますし、試してみたい表現はいろいろあります。指でスクロールに合わせてカメラの位置が動いて、構図が変化してぐわっと広がる、とかできたら楽しそう。
――これからの目標はありますか。
目標は……書籍化して、サイバーエージェントの藤田晋社長に帯を書いてもらいたいです!(笑)それから、ファンの人が「ドラマ化したら」と妄想キャスティングしてくれてるのも楽しいので夢としては実写化も言っておきます。
描き始めた頃想像していたよりずっと多くの方に読んでもらえている手応えがあるので、期待に沿えるよう、友達同士や職場で話題にしてもらえる漫画を描けるよう頑張ります。
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