日本テレビ放送網は2月22日、長寿番組「笑点」を8K(7680×4320ピクセル)番組として制作したと発表した。現行HDの16倍高精細な画像での「8Kスペシャル版」は、通常の演芸コーナーに加え、8Kにちなんだ大喜利を含む45分となっている。
1966年の放送開始から50周年を迎えた笑点は、多くの番組が白黒放送だった中、カラー放送でスタートした。その後もステレオ放送やデジタルVTR規格「D2」を初期から採用し、2014年には「笑点特別版」として司会者・桂歌丸さんの落語を4Kで収録するなど、常に新技術を取り入れてきた。
日テレ・テクニカル・リソーシズのWebサイトでは、1月の収録の様子をリポートしている。8K用に調達したカメラと収録機はそれぞれ3台。8Kモニターはほとんど存在しないため、画面チェックは4Kモニターで運用したそうだ。
8K撮影の大きな課題は「フォーカスが“超”シビア」なこと。専用ズームレンズがあまり寄り引きできないため、カメラワークにも苦労したという。撮影の成果は「なんと歌丸師匠の目に映る照明の1つ1つまでわかるほど。8Kの実力を思い知らされました」。音声も5.1chサラウンドで収録されており、技術の最先端を集めた「笑点」になっている。
番組は、業界関係者向けの展示会「デジテク2016」(3月8〜9日)で上映する。
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