福岡県鞍手町、オリジナル同人誌の図書室を開設 廃校を“サブカルの発信地”に
福岡県鞍手町が、廃校にオリジナルの同人誌を集めた図書室を開設する。教室などもアトリエに使えるように改装し、クリエイターを支援する環境作りを進める。
福岡県鞍手町が、昨年廃校となった鞍手南中学校の図書室を再利用し、オリジナル作品の同人誌を集めた図書室を開設する。2次創作やR指定の作品は除き、著作者の許諾を得たものだけを展示。2016年度内のオープンを目指し、約2500冊を集める予定だ。
収蔵する同人誌は、基本的に著作者と直接やり取りをして購入する予定。訪日観光客の来校も見込み、可能な範囲で英訳も検討する。編集部の取材に対し、町地域振興課の担当者は「著作者の意向を損なわないように配慮しながら、準備を進める」と話す。
廃校となった校舎は、地元の企画会社とともにイベント会場「くらて学園」として活用しており、昨年7月以降、コスプレの撮影会や「痛車」の展示会、アニメソングのライブなどを開催している。担当者は「1回のイベントに100人以上が集まり、Twitterでの評判も上々」と、廃校前の活気が戻って来た様子を語る。
「くらて学園」を活用し、全国から漫画家やアニメーターなどのクリエイターを呼び込んでいく狙いだ。将来的にはイベントに限らず、人材育成やビジネス支援の場として「サブカルの発信地」に育てていきたいという。使われなくなった教室も改装し、アトリエとして利用してもらうほか、フィギュア制作用の3Dプリンタなども用意する。
Webサイトでは「同人誌の作家さんたちから、将来漫画家に育っていただけるような支援が出来る環境をインキュベーションで行って参ります」と、取り組みの意図をコメントしている。
同人誌の購入費約250万円には、国の地方創生加速化交付金を充てる予定。
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