おフランス娘ボーカルシンセ「ALYS」と初デートしてみたら頭がどうにかなりそうに(5/5 ページ)
フランス語でも日本語でもOKなALYSさん(21、人間ではない)に歌ってもらった。そしてその後味わった恐ろしいものの片鱗とは。
ALYSのカバー曲が意外な展開を
今回のレビューを通じて、このALYS開発の主体となったVoxWaveやフランス語圏のボカロPたちの熱心さが伝わってきた。
ALYSのエンジン自体は歌声合成の分野では新参者で、音質面やユーザーインタフェースなど、まだこなれていない部分も多い。特に音符のアラインメントへの取り組みは早急に行う必要がある。音質も、Daisyからかなり向上してはいるものの、比較的よくできたUTAUに近いくらいの印象だ。商用ソフトであるので、今後はさらなる高音質が求められるだろう。
それでも開発会社であるVoxWaveは、フィードバックには積極的に応えていくと話しているので、今後の改善を期待したい。そして、このフランス語版がきっかけとなって、VOCALOID、Sinsy/CeVIO、UTAUなど他の技術でもこの言語圏への対応が積極的に行われるとうれしい。
フランスにはVOCALOIDをはじめとする日本の文化、音楽への関心が非常に高い。Japan ExpoでのVOCALOID紹介や、パリでの初音ミク「The End」オペラ開催など、機運も高まっている。
と、ここまで書いたところで、ミッシェル・ポルナレフの大ファンである軽音サークルの先輩からすごい知らせが。Facebookでわたしが作ったALYSの「愛の休日」カバー曲をポルナレフ自らシェアしてくれたのだという。
本当だった。しかもTwitterでも紹介してくれていた。頭がどうにかなりそうだった。
ポルナレフの曲をラジカセに録音し、その歌詞を必死になってカタカナで書き起こしていた中1の頃の自分にこのことを伝えたい。
ネットは広大だが、意外と近い。そして歌はすばらしい。
関連記事
- フランス語で歌えるバーチャルシンガー「ALYS」、変遷の末「新合成方式」で3月デビュー
シャンソン、フレンチポップス好きな歌声合成界隈に朗報。 - 「デイジーデイジー」歌った半世紀前の音声合成をキャラ化した「chipspeech」、その意外な歌唱力
50年前、30年前に合成された音声で自由に歌わせることができる。しかも日本語で。 - 今度は簡単に弾けるショルキー型「VOCALOID KEYBOARD」2015年モデル、その仕組みを詳しく聞いてきた
12年の超会議で披露されたヤマハの「VOCALOID KEYBOARD」が、今年は「もうさっさと売ってくれ」というくらいの完成度で帰ってきたので、担当者に詳しい話を聞いてきた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.