建物の窓やソーラーパネルに使える「透明な木材」をスウェーデン王立工科大学(KTH)が3月31日に発表した。安価な上に、再生可能な資源なのが特徴だ。
木材の細胞壁を構成し、光を吸収する「リグニン」を取り除き、セルロースの繊維の中にアクリル樹脂を注入。木材の構造を維持したまま、85%の透過率を実現した。曇りガラスの代わりに建物の窓に使えるほか、ソーラーパネルにも活用を見込む。
研究グループのラーズ・バーグランド教授は「木材の魅力は、再生可能資源から作れること。強度と粘度に優れ、密度や熱伝導率も低い」と新素材のメリットを話す。今後は、透過性を高めるほか、より多くの木材でも応用できるよう研究を進める予定だ。
成果は、科学誌「Biomacromolecules」に掲載されている。
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