2016年6月初旬、米おもちゃ大手のMattelが、バービー人形の新モデル「ゲームデベロッパー・バービー」を発売した。これについて、米ニュースメディアSlate上で キャシー・フィースラー氏が論評している。
1950年代後半に発売されたバービーは、時代に合わせてその設定を変化させてきた。1992年に発売された本で、彼女は「コンピュータエンジニアにはとても、とても向いていないの」「数学の授業は苦手!」と発言していた。これは後にネット上で「女性への偏見ではないか」と話題になり、Mattelはすでに絶版になっていた本に関して謝罪することになってしまった。
そして2010年にMattelは「コンピュータエンジニア・バービー」を発売した。可愛い服装でまとめられた彼女は、Linuxペンギンのついた、しかし実際のエンジニアならおよそありえない、ピンク色のノートPCを持っていた。それでも、バービーがコンピュータに興味を持ったことは一大事件だった。
今年販売終了したコンピュータエンジニア・バービーに代わって、今回発売されたゲームデベロッパー・バービーは、ジーンズにかっこいい靴、ちょっとナードっぽいシャツに眼鏡を掛け、まともな色のノートPCを所有し、頭にはヘッドセットを装着している。そしてコーヒーといっしょに、なぜかフローチャートを持ち歩いている。バービーの個性としてピンク色を好んでいるようだが、意味もなくピンク色が強調されすぎてはいない。
このバービーがゲーム製作にあたって担当しているのはゲームの設計とデザインだけで、実際にコーディングするのはスティーブンとブライアンという男の子だ。しかし同氏は、ゲーム作りで重要なのは設計とデザインで、コーディングはチームワークでやればよい、と指摘する。バービーは実際にはなにもコーディングができないわけではなく、PCの画面を見ると、学習向けプログラミング環境であるAliceを使い、ActionScriptまたはHaxeでFlashコンテンツを製作しているようだ。C++/C#といった言語には興味がなさそうに見える。
ゲームデベロッパー・バービーは、「女の子はコンピュータが苦手」とか「女の子は可愛いピンク色が好き」といった固定観念からようやく脱却し、人形で遊ぶ少女たちを自然にゲーム制作者に誘導できる製品のようだ。
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