「ゴルスタ」終了 「厳しすぎる運営」で炎上 ユーザー名強制変更の「見せしめ」も
炎上していた中高生向けアプリ「ゴルスタ」のサービスを「一両日中」に終了すると、運営元のスプリックスが発表した。
スプリックスは9月5日、中高生向けSNS&ライブ動画アプリ「ゴルスタ」のサービスを「一両日中」に終了すると発表した。一部の運営担当者が、アカウント停止したユーザーのユーザー名を「違反=アカウント停止理由」などに変更し、一定期間みせしめ状態にするなど「明らかにふさわしくない言動があったことを確認した」ためという。
ゴルスタをめぐっては、8月下旬ごろから、運営方針の厳しさなどがネットで話題に。ユーザーによる運営側の批判を禁止し、ゴルスタの公式Twitterで批判したユーザーの氏名を暴露したり、Androidアプリ版で不必要に大量なアクセス権限を要求する――などさまざまな問題が指摘され、批判を集めていた。
2014年公開、「森塾」運営元のアプリ
スプリックスは、首都圏で個別指導塾「森塾」などを運営する教育関連企業。ゴルスタは2014年にスタートした「中高生限定」をうたうアプリで、テレビCMも展開し、ユーザー数を増やしていた。
アバターを着せ替えたり友人と交流できるSNSや、ユーザーがライブ動画を配信する「ゴルキャス」、「イケメン」をうたう講師の授業を動画で閲覧できる機能などまざまな機能を搭載。人気のキャス主(ゴルキャスの配信者)には多数のファンがつくなどし、ヘビーユーザーも少なくなかった。
運営批判を禁止 ユーザーの個人情報暴露も
一方で、ユーザーによる運営側の批判を禁止し、批判したユーザーのアカウントを停止したり、アカウントを停止したユーザーに「反省文」を書かせたり、運営とトラブルになったユーザー1人の氏名と在住県をTwitterで暴露する――など、横暴とも言える運営手法が8月下旬ごろからTwitterで話題になり、ネットユーザーの批判の的になっていた。
また、ユーザー登録時のアラート画面に「中高生以外を発見したら警察に通報する」などと書かれていたり(その後文言を修正)、Android版アプリダウンロード時に連絡先やSMS受信など必要以上のアクセス権限を要求する――などの問題も指摘され、“炎上”状態になっていた。
同社は8月31日、「1人のユーザーの氏名と在住県を流出させた」と認めて謝罪。ゴルスタをアプリストアから削除し、新規登録を停止。厳しい運営方針については「中高生の安心安全が最優先との方針ゆえ」と釈明しつつ、「意見を真摯に受け止め、適宜見直しを検討する」としていた。
アカウント停止したユーザーを「見せしめ」に
9月5日の発表によると、その後の調査で同社は、「一部の運営担当者で明らかにふさわしくない言動があったことを確認した」ため、サービスの即時終了を決めたという。具体的には「アカウント停止したユーザーをただちに削除せず、ユーザー名を『違反=停止理由』などに変更し、一定期間みせしめのような状態にしていた」という。
この言動は「一部の運営担当者を再教育すれば解決する問題ではなく、ゴルスタ運営部門、ひいては弊社全体の問題と重く受け止めて」いるという。「『厳しい運営だからこそゴルスタは安心』という意見もいただく一方、だからといって運営担当者が『ふざわしくない』言動をしてよいということではない」とも。「教育を生業とする弊社にとって今回の調査結果は大変重く、直ちにサービスを終了する理由になった」と説明している。
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