日本と海外でキーボードが全然違う!? PCローカライズに込めた熱い思想:“中の人”が明かすパソコン裏話(2/5 ページ)
メーカーの中の人だからこそ知っている“PCづくりの裏話”を明かすこの連載。今回は、日本語配列キーボード開発に込められた「日本ならではのこだわり」に迫ります。
また、見過ごしがちですが、日本語キーボードの場合は一部のキーが他と比べて小さくなっている場合があります。実はこれは、日本語キーボードは英語のキーボードに比べてキーの数が多く、英語配列と日本語配列では一部のキー配列が変則的なピッチになる場合があるからです。
特に当社のような外資系メーカーの場合は、グローバルモデルの英語キーボードに基づきデザインされているケースが多々あります。それを日本語配列にローカライズすることは、とても難しく、だからこそやりがいのある仕事なのです。
表計算ソフトを利用する人であれば、「=」や「¥」を多用するかもしれませんし、文書を執筆される人はかぎかっこ「」を多用することもあるかと思います。これらのキーも隣と干渉しないサイズを維持しながら、マッピングしていく必要があります。目の錯覚で、サイズが異なることが分からない程度の調整を行うこともあります。
スペースキーの場所も、英語配列の場合は他のキーと合わせてシンメトリー(左右対称)になっていますが、日本語配列は「C」キーの下付近から「N」の下付近までと、やや変則的な配置になっています。これらの横のキー配列も、ピッチが不十分になって隣のキーを誤って押さないレベルに収める必要があります。
Enterキーも、英語と日本語では全く異なる配列になります。ここの横幅は企業秘密のレシピですが(と言っても現物をご覧になれば分かるのですが)、アバウトにタイピングしてもおおよそ他のキーや右側のふちに抵触することのないよう設計します。中には、内部の設計上どうしても配列を調整できないケースもありますが、その場合も右側のクリアランスも考慮して最大限の調整を行います。
心地よい「反発力」とは
もう1つ忘れてはならないのが、キーの「反発力」です。
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