ジョブズのタッチスクリーンPC批判にMSとApple、6年後の回答(3/3 ページ)
2010年10月、「Back To The Mac」を銘打った製品発表イベントで、スティーブ・ジョブズは「タッチスクリーンは垂直の画面には適さない」と言った。6年後、MicrosoftとAppleは製品の形でその回答を用意した。
MSとApple、1つの目的、2つのアプローチ
Appleはあくまでも腕はキーボードから水平方向にしか動かさせない。腕を持ち上げるような動作は避けるという、ジョブズの教え(というより、Appleで長年行われてきたユーザーテストの結果)をTouch Barにより守った。Microsoftもそれが現実だということを理解したうえで別のアプローチを取った。クリエイティブにあったほうがよい、タッチスクリーンによる細かい操作を補助するツールとしてAppleはTouch Barのアプリケーション別対応を、MicrosoftはSurface Dialにより同様の対応を行なう。
だが、いずれもキーとなるのはサードパーティの対応だ。プロダクティビティならMicrosoft Office、クリエイティビティならAdobe CC。このどちらが欠けても無意味だ。Appleはどちらも準備万端。MicrosoftはOfficeは自前だから当然として、Adobe CCへの対応は、少なくともSurface Dialについてはまだ発表されていない。対応表明されているアプリにメジャーなものはまだ少ない。
続きはAdobe MAXで
そのAdobeの年次カンファレンスAdobe MAXが10月31日から11月4日まで、カリフォルニア州サンディエゴで開催される。MicrosoftとAppleが発表したばかりの、クリエイターたちが歓喜しそうなデスクトップ、ノートPCのデモをここで行うためにこの日程にしたのではと想像したくなるタイミング。
来週は現地に行った記者からの充実したレポートが期待できそうだ。
このように、クリエイティブな人には朗報だった今回の発表だが、MacBook ProがTouch BarになるとハードウェアEscapeキーが失われてしまう。これで一部のソフトウェアエンジニアは阿鼻叫喚の様子だ。Emacs派は問題なしだが、EscapeキーがないとどうしようもないVimmerは反乱を起こしそうである(ターミナルモードではちゃんと左端に表示されるのだが)。
こちらの行方も楽しみだ。
関連記事
- Apple、新型「MacBook Pro」発表 タッチバー搭載、指紋認証をサポート
指紋認証「Touch ID」に対応する「MacBook Pro」を米Appleが発表した。 - 「11インチMacBook Air」が公式オンラインショップから消滅
Appleが新しい「MacBook Pro」を発表した後、オンラインショップから「11インチMacBook Air」が姿を消した。 - 「Surface Studio」発表 Microsoft初の液晶一体型デスクトップ
Microsoftが液晶一体型デスクトップPC「Surface Studio」を発表した。 - ジョブズ氏が語る、タッチスクリーンMacBookを出さない理由
タッチスクリーンはタブレットのような水平の画面には向いているが、垂直の画面には適さず、腕が疲れてしまうとAppleのスティーブ・ジョブズCEOは語る。 - 次期MacBook Pro、10月末に出荷開始?
MACお宝鑑定団のスクープ。MacBook Airも改定される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.