「もう蔦屋家電には置いてもらえないかと」──家電ベンチャーUPQ、15万円切りの65インチ4Kディスプレイを発売 100台限定で(2/2 ページ)
UPQが、65インチの4Kディスプレイを100台・蔦屋家電限定で発売する。価格は14万9000円。
50インチから65インチに大画面化した理由
これまでUPQが発売したディスプレイはいずれも50インチ。中澤社長は当初、65インチは大きすぎて店頭から持ち帰れず、部屋のサイズにも合わないという理由で不要と考えていたという。しかし、ユーザーから「既に(他社製品の)フルHDの55インチモデルを持っている。4Kモデルが欲しいが、ダウンサイズは嫌だ」という声をいくつも受け取ったという。
中澤社長は「そこまでまとまったニーズがあるなら、提供するのもいいのでは」という発想に至ったという。ただし、大量に販売して利益をあげたいというわけではなく、限定販売で売り切りとしてもいいので、欲しいと思ってもらえるユーザーの手元にしっかり届けたいとしている。
「TVチューナー内蔵テレビだと30〜40万円になってしまうので、半分の価格で提供できるのは大きい。ただし、価格で選んでもらうのではなく『こういう製品がほしかったんだよね』という人に手にとってほしい」(中澤社長)。
「モノづくりはまだまだ楽しい」
中澤社長がそのような発想に至るには、大手メーカーにいたころの経験が影響している。「毎シーズン、家電の新製品が大量に発売されるが、消費者が選ぶ基準は結局のところスペック、価格、デザインのバランスで構成されている。バランスを考えた上で型落ちモデルを買う人も多い」(中澤社長)。
新製品が発売すると、メーカーのスペック競争が始まり、ある程度までユーザーのニーズを満たす機能がそろうと価格競争になる。そして、ギリギリまで切り詰めたところで付加価値戦略が行われ──こういった厳しい製品開発サイクルをメーカーは抜け出せていないと中澤社長は指摘する。
そこで、UPQが提案するのが「型落ちさせない」戦略だ。同社はこれまでに、製品群を同一の色で統一する「シーズンカラー」を取り入れてきた。色を固定することで敬遠してしまうユーザーもいるが、ベンチャーならではのチャレンジングな要素であり、「次は一体何が出てくるんだろう」というワクワク感をユーザーに与えるブランディングを重視することで、「モノが幸せに作られて、幸せに消費される」というものをもう一度呼び起こしたいと中澤社長は胸を張る。
「既存の概念にとらわれない製品群で、ユーザーと販売店両方に驚きを与えたい。メーカーに就職したいと思う人が減ってきた時代に、モノづくりはまだまだ楽しいということを伝えられるように」(中澤社長)。
関連記事
- 家電ベンチャーのUPQ、スマートフォン焼損事故にコメント 「原因究明中」
UPQが発売したスマートフォンによる焼損事故が1件報告された問題に対し、同社社長がコメントした。 - 折り畳み電動バイク「UPQ BIKE」、今夏登場 原付免許で公道を走れる
家電ブランドUPQが折り畳めるモバイル電動バイク「UPQ BIKE」を発表。発売は今夏を予定する。 - “1人家電・家具ブランド”スタートアップ「UPQ」始動 流行色をコンセプトカラーに、機能と価格の両立追求
デザインとカラーにこだわる“1人家電・家具ブランド”「UPQ」が誕生した。「スペック以外で語れるブランド」を目指し、4Kディスプレイやスマート電球、バッテリー内蔵スーツケースなど幅広くオリジナル商品を展開する。 - 世界初・スマホ連携スノーボードバインディング「SNOW-1」 重心や曲がり具合をリアルタイムに計測
Bluetoothでスマホと連携し、計測したセンサーデータで滑りを分析できるスノーボードバインディング「SNOW-1」をCerevoが発売した。 - ドコモ、サイクルシェアリングで新会社
ドコモなどNTT系の4社が、地域などで自転車を共有して利用するサイクルシェアリング事業で合弁会社を設立。 - 世界初・スマホ連携スノーボードバインディング「SNOW-1」 重心や曲がり具合をリアルタイムに計測
Bluetoothでスマホと連携し、計測したセンサーデータで滑りを分析できるスノーボードバインディング「SNOW-1」をCerevoが発売した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.