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“実写にしか見えない”3DCG女子高生「Saya」、制作者が込めた思いは 「一瞬で消費される時代に一石を投じたい」(2/5 ページ)

「実写にしか見えない」――全て3DCGで作られた女子高生「Saya」が大きな話題を呼んでいる。制作の裏側と今後について聞いた。

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TELYUKAの石川友香さん(左)と晃之さん(右)

 だがその後、Twitterに投稿するやいなや「実写にしか見えない」「“不気味の谷”(ロボットやCGを人間に似せようとする際、ある段階で人が強い不快感を抱く現象)を完全に超えた」などと大きな話題に。「日頃の活動内容をアピールするものだったが、思わぬ反響に驚いた」と友香さんは振り返る。

 Sayaの特徴は、モデルとなった特定の人物が存在しないことだ。ハリウッド俳優など、実在の人物をモデルに精巧なCGを作るケースは珍しくないが、日常生活で見かける機会が少ない有名人ではなく、「どこかで見たことがあるような、より身近に感じるキャラクターを作りたかった」(友香さん)という。

 日本人を題材に選んだのは「CG制作の難易度が高く、挑戦しがいがあるから」。彫りが深い欧米系の顔に対し、日本人などアジア系の顔は平面的で凹凸が少なく、比較的作りにくいという。その上で「キラキラしていた、思い出深い時期を再現したい」(友香さん)との思いから、17歳ぐらいの女子高生をテーマに決めた。

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 「海外の映画やアニメを見ると、日本人のキャラは、目が極端に釣り上がっていたり、『サムライ』『ハラキリ』などの言葉と結び付けられたりしている。そんな間違ったイメージを払しょくし、『日本人の女の子はかわいい』という文化を発信したかった」(友香さん)

肌は“手描き” CGらしくない質感を目指して

 特定のモデルが存在しないため、制作はSayaのキャラクターイメージを固めるところからスタート。「優しく正義感が強い」「クラスに1人はいそうな女の子」などの“理想のSaya像”を2人の間で共有しつつ、街中で本物の女の子を観察したり、サンプルの写真を見たりして造形したという。「架空の人物を作るのは、答えがなく難しい。全部で300パターンくらいは作ったのでは」(友香さん)。

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