Google翻訳が進化 日本語にもニューラルネット適用、自然な訳に APIも公開
米Googleは、ニューラルネットを活用した新しい機械翻訳システムを、日本語など8言語に適用した。翻訳の「飛躍的な前進」としている。
米Googleは11月15日、ニューラルネットワーク技術を活用した新しい機械翻訳システム(Neural Machine Translation)を、日本語など8言語に適用したと発表した。従来より自然な翻訳が可能になり、「飛躍的な前進」としている。
新翻訳システムのAPIを、「Google Cloud Platform」で公開。開発者が自由に利用できるようにした。
ニューラルネットは、人間の脳の神経回路の仕組みをコンピュータでシミュレートする数学モデル。
Googleは9月、ニューラルネットを適用した翻訳システムを発表し、中国語から英語への翻訳に導入していたが、今回、適用範囲を中国語、日本語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、韓国語、トルコ語に広げた。
新翻訳システムは、文章をパーツごとに翻訳するのではなく、1つの文として扱い、文のコンテキストを把握することで、より正確な訳語の候補を見つける。その後、言葉の順番を変え調整することで、文法的により正しく、自然な翻訳が可能になるという。
システムは学習し続けるため、使えば使うほど自然な翻訳が可能になるとしている。Googleは今後、適用範囲を全103言語に広げる計画だ。
「今回のアップデートは、Google翻訳の過去10年の進化の歴史よりも飛躍的な前進」だと同社はコメントする一方で、「より良い機械翻訳への道のりはまだ遠い」とも認め、「Google翻訳コミュニティー」にフィードバックを寄せてほしいとしている。
Google翻訳の精度が向上したことは、11日ごろから日本で話題になっていた。
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