ノートPCにタッチパネルはいらない!? 壮大なテーマに開発者の視点から迫る:“中の人”が明かすパソコン裏話(2/2 ページ)
メーカーの中の人だからこそ知っている“PCづくりの裏話”を明かすこの連載。今回は対応モデルが増えてきた「タッチパネル」について紹介します。
さらに、手書きには「暖かさ」があります。顧客への提案資料に「ここ、注目です!」「おすすめです!」といった手書きの注釈を入れるのです。デジタルな資料にワンポイントでアナログな手書きがあると、ぐっと相手心をつかめる気がしませんか。
もう1つ、デジタルの付せんとしての利用にも注目です。何かを返してもらうときに、付せんで「ありがとうございました!」など一言が添えられて机に置いてあるのと、ゴシック体で書かれたお手紙が置かれているのとでは受け取る印象が異なると思います。手書きメモにはそれと同じ効果が期待できるのではないかと考えています。
筆圧を感知できるアクティブ型スタイラスペンと、PowerPointなどの筆圧を感知できるアプリの組み合わせであれば、紙にペンで書いたような手書きの風合いがとてもきれいに表現できます。しかも、実際のボールペンよりうまく書けるのです。書き間違えたり字が乱れたりしたら、すかさず「Ctrl+Z」で線を消します。そして書き直しすればOKです。手書きとデジタルいいとこ取りの文章が書けます。
そして、これはデジタルデータですから、印刷すれば簡単に量産できます。印刷しても手書きの風合いは残りますので、お客さんにお送りする文書へちょっとした「あいさつ」を加えてお送りするなど、好印象を得るための工夫として利用するのもいいのではないでしょうか。
会議に挑むための資料作りから脱却
2in1では、簡単なプレゼンテーションであればキーボードを外して気軽に相手へ画面を向けることができます。タッチパネルで直感的に表示内容を拡大して「この部分です!」と説明すれば、より分かりやすさも増すでしょう。スライドを次に進むときも、画面をスワイプすればOKです。
「働き方改革」「女性の活躍」「ワークライフバランス」「生産性向上」を求める世の中の流れにおいて、2in1は適したデバイスだと考えています。例えばクラウドの予定表、クラウドストレージ、Skypeなど駆使して在宅、出張中、社内など、個々の状況がバラバラでも、場所を問わず会議を招集できることで、意思決定のスピードを短縮できます。リモート会議だからこそ「伝わりやすさ、伝えやすさ」が落ちる部分を、ペンの注釈などでうまくアシストできるデバイスになっていると思います。
また、「会議に臨むための資料」を用意する時間を割くのではなく、準備はそこそこで、会議で今の生きた情報を双方向に扱い、それらの情報から求められる「答え」を臨機応変に見いだしていく。
「こんな情報があります!」
“タッチ”で拡大。速攻でシェア。
「じゃ、それでいきましょう!」
といった仕事の進め方にも対応します。従来にように、入念に用意した資料をプロジェクタで投影して、さながら御前会議を行うという体制では、変化の速い世の中のトレンドに追従していくことが難しいでしょう。
「ペン」「スタンド」「2in1」という新しいデバイスや機構を備えたことで、PCのタッチパネルに対する評価がガラリと変わり、十分「アリ」な選択なのです。
著者:白木智幸(しろき・ともゆき)
日本HPPC&タブレットエバンジェリスト。パーソナルシステムズ事業本部に所属し、法人向けタブレット製品のプロダクトマネージャ(製品企画)とビジネスプラン(販売計画)を担当。PCやタブレットの楽しさや素晴らしさを広くお伝えすることを通じ、グローバル化の進む現代でよりよい働き方を実現するためのエッセンスを提供することがテーマ。
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