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「巨匠の響きを永遠に」――SPレコード2万枚保存プロジェクト、東京芸大が資金募る

東京芸術大学が、約2万枚のクラシックSPレコードを保存するべく、クラウドファンディングで資金を募っている。

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 東京芸術大学附属図書館が、約2万枚のクラシックSPレコードを保存するプロジェクトの資金を、クラウドファンディングサイト「READYFOR?」で募っている。支援は3000円から。蓄音機コンサートや、学長によるバイオリンコンサートが含まれるコースもある。

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クラウドファンディングのプロジェクトページより

 SPレコードは、1950年代にLPレコードが登場する以前に普及していたレコード。同館が所有する2万枚のコレクションは、2013年に亡くなったSPレコード研究家のクリストファ・N・野澤さんが集めたもの。「未来の音楽家のために役立ててほしい」(野澤さん)という遺志に基づき、遺族が図書館に寄贈した。

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クリストファ・N・野澤氏の収集した2万枚のSPレコード

 だが、ほとんどのレコードは段ボール約300箱に入ったまま、図書館の廊下や地下倉庫などに山積みの状態という。17〜18年に図書館を改修し、スペースを確保した上で、重く割れやすいSPレコードを専用の保存箱に収納する計画だ。レコードを使える状態に整理し、蓄音器を使ったコンサートの開催や、演奏家の研究などに役立てるという。

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段ボールに入ったまま山積みの状態
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段ボール1箱を開けて保存箱に移したレコード

 コレクションの中には、世界に数枚しかないレオポルド・アウアーのレコードや、クライスラー、エルマン、ティボーといったバイオリニストの巨匠の作品があり、「クラシックでは国内最大級の規模で、歴史的に貴重な音源が多数含まれる」(同館)という。

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