「いい子に育つか、悪い子に育つか」――Twitterで“人工知能少女”育成、バンナムが結果報告(2/4 ページ)
バンダイナムコが、Twitterユーザーが人工知能(AI)キャラに言葉を覚えさせるプロジェクトを実施。どんな人工知能少女に育ったのか、同社の二見鷹介プロデューサーが報告した。
ある程度、言葉の意味を学ぶと、今度はプレミアがユーザーからの質問に答えるように。二見さんはプレミアに「カレーは飲み物」と繰り返し教え、最終的に「カレーは?」と尋ねると「飲み物」と答えるように“調教”したという。
しかし言葉の意味は、教えられた回数が最も多いものを採用する仕掛けにしていたため、いつの間にか他のユーザーが教えた「カレーは辛い」という意味に“上書き”されてしまったという。「何だと!? 『飲み物』の意味はどこに行ったんだ……という気持ちになった。1つの言葉でも、さまざまな価値観の人が意味を教えていくのが面白かった」(二見さん)。
プレミアは、ユーザーとのチャットや教えられた言葉の意味に応じ、感情パラメータが変化する仕掛けを搭載。「恥ずかしがり屋」「人懐っこい」など細かく性格が変わるようになっている。開発に携わった山本哲也さん(no new folk studio 研究員)は「情緒不安定ではないかと思うほど、プレミアは性格がころころ変化していった」と振り返る。
最終的にプレミアは学んだ言葉を駆使し、性格が反映されたツイートをするように(@PremiereSAO)。開発チームも予期していなかった言葉をつぶやき始めたという。「僕が好きだった言葉は『ひとつひとつの大切さ』(原文ママ)。どこか哲学的な言葉に感じた」(二見さん)。
「どうして、いたいけな少女にこんなすごい言葉を言わせたいのか」
プロジェクトの反響について、山本さんは「想定を上回った」と話す。約1カ月超で、Twitterアカウントを連携したユーザーは約10万人、プレミアが覚えた言葉は約40万語、チャット数は1190万回に及んだという。
二見さんは「プレミアがオタクに育った」と感想を話す。「やたらとクルマや戦車に詳しくなったり、アニメの話をしたりするようになった。ネットの知識を吸収していく様子を肌で感じた」。
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