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深海6000メートルに沈むマネキン――“海底ごみ”約1800点の映像・写真、JAMSTECが公開
日本海溝で見つかったマネキン、マリアナ海溝を漂うポリ袋などを閲覧できる。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)は4月3日、潜水調査船や無人探査機が撮影した“海底ごみ”の映像や画像をまとめた「深海デブリデータベース」をWeb上で公開した。日本海溝に沈んだマネキンの頭など、ごみの種類ごとに閲覧できる。教育現場などで、環境問題を学ぶときに活用してもらう狙い。
1982年に「しんかい2000」が潜航調査して以来、JAMSTECの調査船が撮影してきた映像・写真データから、海底ごみが映り込んだ約1800点を抽出。ごみの種類や潜航調査場所で分類して公開した。日本海溝の約6280メートル付近で見つかったマネキンの頭部や、マリアナ海溝の水深約1万900メートルを漂うポリ袋などが映っている。
映像からは、海底ごみの周囲に深海生物が生息する様子も観察でき、生態系にごみが及ぼす影響を把握できる可能性があるという。教育現場の教材に使ってもらうことで、環境問題へのリテラシー向上にも役立つとしている。
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