資生堂は4月5日、ビタミンに似た働きをする物質「コエンザイムQ10」に、加齢臭の原因物質「ノネナール」を抑える効果があることを発見したと発表した。制汗剤などに頼らず、体の内側から加齢臭を抑えられる可能性があるという。
コエンザイムQ10は、人間の細胞内にあるミトコンドリアがエネルギーを作るときに使われる物質。加齢とともに減少することが知られていたが、詳しいメカニズムは分かっていなかった。
研究グループは、65〜74歳の女性を6人ずつ、コエンザイムQ10を毎日100ミリグラム摂取してもらうグループと、摂取しないグループに分け、4週間過ごしてもらった結果を比較した。摂取したグループでは、肌から放出されるノネナールの濃度が摂取前と比べて2〜3割減少していたという。
体を洗うだけでは防ぎきれないノネナールの発生を、コエンザイムQ10を摂取すれば、体の内側か抑えられることが分かったという。資生堂は、幅広い世代の加齢臭のケアに実験結果を役立てるとしている。
研究成果は「日本補完代替医療学会誌」第14巻第1号(2017年)に掲載された。
資生堂は1991年に加齢臭の原因がノネナールであると発表。加齢臭をケアする研究を続けている。
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