4月11日に一般ユーザーへの配布が始まったWindows 10の大型アップデート「Creators Update」。OS標準ペイントアプリの3D対応や「Windows Mixed Reality」対応などが目を引く(実用するかはまた別の話)が、PCの使い勝手を向上させる細かなアップデートも多数含まれている。新たなサインインオプションとして用意された「動的ロック」(Dynamic lock)もそのうちの1つだ。
動的ロックは、ユーザーが普段身に付けているスマートフォンをあらかじめBluetoothでペアリングしておけば、離席したときに「PCを自動でロックできる」機能だ。PCの無操作時間によってロックを行う設定よりも、セキュリティや使い勝手の向上を見込んだものである。
AppleのmacOS Sierraでは、既にApple WatchとMacを組み合わせて似たような使い方が可能だ。こちらは逆のアプローチで、設定したApple Watchを身に付けていればロックの「解除」が即座にできるというもの。スクリーンセーバーの復帰時にパスワードを即座に要求するセキュリティの高い設定にしても、解除の手間を減らせるのだ。
ライターのらいら氏に「この機能のためにApple Watchを買っていいレベル」とまで言わせたこの機能だが、Windowsユーザーも同じような使い勝手を実現できるのか。実際に試してみた。
セットアップはサインインオプションから
動的ロックを使用するには、まずはPCと使用するスマートフォンをBluetoothでペアリングしておく必要がある。動的ロックの対応デバイスはスマートフォンのみで、Bluetoothのデバイス一覧に電話のマークが付いていれば使用できることになる。
今回はAndroidスマートフォンとWindows 10 Mobileスマートフォンをペアリングして試したが、本当はAndroid WearやApple Watchのようなウェアラブルデバイスでも使えるようにしてほしいところだ。
スマートフォンとのペアリングが完了したら、続いて「設定」→「アカウント」→「サインインオプション」の中にある動的ロックの項目にチェックを入れる。これでセットアップは完了だ。この状態からスマートフォンを持ってPCを離れて、Bluetoothの電波が届かなくなった1分後にPCがロックされる。
対応デバイスの拡大と「ロック解除」にも期待
Creators Updateはクリエイター向け機能のみならず、こういった地味な機能拡張が多く含まれている。特に強化が求められているというセキュリティ関連においては、生体認証機能「Windows Hello」の強化や、今回の動的ロックのような機能の追加によって、同社の注力分野であることが垣間見られる。
動的ロックに関しては、「感動するほど便利」とまではいかないが、設定しておけば多少は安心か、といったところ。ただし、必ずしもスマートフォンを持って離席するとは限らないので、やはりウェアラブルなBluetoothデバイスにも対応するべきだろう。また、mac OSとApple Watchの組み合わせのように何らかの形でロック解除にも使えるようになると、さらに使い勝手は向上しそうだ。
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