PCの買い替え時はいつ? 「ITの引っ越し」前に知りたい最新PCとOS事情:“中の人”が明かすパソコン裏話(2/4 ページ)
メーカーの中の人だからこそ知っている“PCづくりの裏話”を明かすこの連載。今回は「PCの買い換え周期」について語ります。
その理由は、社内システムとの互換性の維持や、システムを改修したり、そのための新たな利用者向けトレーニングをしたりする時間や工数が捻出できないことなどが主な理由として挙げられます。
分かりやすく例えてみると、OSの更新はいわばITのお引越しといえます。引越しが好きであるという方には申し訳ありませんが、一般的に引越しは“非常に”めんどくさい作業です。
引越しが決まったら、あまり使わないものからとにかく計画的に箱詰めしていかなくてはなりません。引越し前日に慌てるのはもっての外です。新しい住居では環境にあった家具をそろえたり、ガス、水道、電気の契約や住所変更の手続きをしたりなど、さまざまな作業も発生します。
これだけ多くの作業を考えれば、なるべく今までと同じ家具、モノを維持しながらお引越ししたいと考えるかもしれません。しかし、どうでしょう。引越しのタイミングこそ、大切にしていたけれどあまり使っていないものを捨てる、いわゆる「断捨離」を行ってモダンな新しい生活を手に入れるチャンスではないでしょうか。
多くの方が引越しを機に、新しい家具やモノを手に入れて新しい生活を彩るように、せっかくのチャンスですから、めんどうな事と思わずに最新のOS環境にリフレッシュするのも手ではないでしょうか。
そして、もっとも重要なのが「セキュリティ」です。ITのツールの安全性では、旧式よりも最新のものが優れているという関係がおおよそ成り立ちます。
車で例えると、最新の車はアンチロックブレーキシステム(ABS)、横滑り防止装置、エアバック、バックカメラ、全方位カメラ、赤外線カメラ、レーンキープアシスト、ブラインドスポットアラート、レーダークルーズコントロール、自動ブレーキなど。さまざまな安全装備を備えています。
ところが、古い車にはこれらの装備は装着されていません。私もABSや横滑り防止装置が付いていない車を雨の日に運転したときに、タイヤがロックして横滑りして怖い思いをしたことがあります。
IT機器も車も、「クラシックで趣がある」というレベルまでなれば、価値が上がってオークションで高値が付くということもあるようです。しかし、日々の使い勝手を考えれば、新しいものを選択するほう効率的であることは間違いないでしょう。
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