犬の抜け毛がフローリングに落ちていると、2倍滑りやすくなる――そんな検証結果を、犬用の靴ブランド「docdog」を手掛けるディライトクリエイションがこのほど発表した。犬が滑って脱臼・骨折する恐れもあるとして、注意を呼び掛けている。
北里大学の馬渕清資名誉教授と共同で検証した。馬渕教授は「バナナの皮を踏むとなぜ滑りやすいのか」を証明し、2014年にイグノーベル賞を受賞している。
実験では、犬の足裏(肉球)を手のひらサイズのフローリング材に押し付け、滑るかどうかを検証。犬の抜け毛がある場合とない場合を比べたところ、抜け毛の量に依存して摩擦が低下し、毛の量がわずかでも滑りやすくなることが分かったという。
犬の抜け毛を約150本(人が1日に抜ける毛量相当)置いた場合の摩擦係数は0.232、全くない場合の摩擦係数が0.478と、2倍以上滑りやすくなるとしている。仮に人間の場合だと、摩擦係数が0.232の床では、約3人に1人が転ぶ計算になるという。
馬渕教授によれば、脊椎動物の足裏が滑りにくいのは、水分が豊富な皮膚組織が床と接することで、水の凝集力によって摩擦が増すためという。だが、抜け毛や被毛がその間に入り込むと水の凝集力が阻害され、滑りやすくなるという。
フローリングで滑ると、膝蓋骨内方脱臼や椎間板ヘルニア、股関節形成不全などの病気を悪化させる恐れがあるという。特に小型犬が滑ると、脱臼や骨折のリスクが高くなると、同社は指摘。落ちている毛を小まめに掃除したり、犬が自分の毛を足で踏まないようにカットしたりと、飼い主が注意するように呼び掛けている。
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