マストドンのタイムラインを追っていると、流れの速いインスタンスでは動態視力が鍛えられ、ほとんど止まったようなインスタンスでは忍耐力が強化される。だけど1つ問題がある。タイムラインを眺めているとほかの作業ができないのだ。「ながらタイムライン」ができないかと思っていたところ、いいものを見つけた。
wakufactoryさんがMastodon APIを使い、Webブラウザ上で面白い実験をしている。マストドンのタイムラインを視覚的、音楽的にリアルタイムで処理して表現しているのだ。トゥートがパラパラと1つずつ表示されて、画面を埋め尽くしていく。古いものはうっすらと消えていく。表示されるトゥートに音階が割り当てられ、ランダムに音を鳴らしていくといった興味深いものだ。niconicoに2つの動画が上がっているのでぜひ見てほしい。
ここで提供されているのは連合タイムライン専用のWebビュワー。mstdn.jpやPawoo、friends.nicoなどのインスタンスのURLを入れて認証し、チェックボックスをオンにすれば、そのインスタンスの連合タイムラインをさまざまな方法で見聞きできる。
Mastodonクライアント実験のうち最新の「ストリームTL実験その8。音声をつけてみた1」では、タイムラインを音声で読み上げてくれる。macOSのChromeで試してみたところ、結構早口でだがあまり間違えずに読み上げてくれるた。たのしー。流速によっては取りこぼすものもあるが、全部読みたいわけではないし、だいたいいまのタイムラインはこんな感じだってのがわかればいい。そういうときにはうってつけだ。
ポッドキャストbackspace.fm専用のインスタンスmstdn.guruでは生放送中にリスナーのコメントがタイムラインに流れ、それを見ながらポッドキャスターがしゃべっている。ちょうどニコ生の生主がniconicoのコメントを読みながら返事をしているようなことをやっている。生主は「棒読みちゃん」という音声合成を使った読み上げソフトを使って、そのコメントも番組の中に取り込んでいるが、wakufactoryさんの仕組みを使えば、インスタンスのローカルタイムラインを読み上げてもらうことができるかもしれない。
wakufactoryさんに聞いたところ、「同時に複数発声はできないようなので、流れの速いTLの実況には到底間に合わず、このままだと実用にはならないと思いますが、何らかの工夫の余地はあるとは思います」との返事だった、適度な流速で取りこぼしても問題ない用途ならいけるかもしれない。「TLはAPIの先を切り替えればローカルでもホームでも対応は可能です」という話なのでかなり期待している。
音声読み上げはブラウザでサポートされているWeb Speech Synthesis APIを使っているそうで、その精度はOSやブラウザに依存するようだ。もう1点。長時間流しっぱなしにするとブラウザが重くなることがあるそうだ。
というわけで、今後の「ながらタイムライン」ははかどりそうだ。
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