パナソニックは5月10日、シンガポール国立大学との共同研究開発で世界最高水準の顔照合技術を開発したと発表した。ディープラーニングなどを活用し、左右90度近い横顔や明暗が強い屋外環境、サングラスやマスクで顔の一部が隠れている状態でも顔の照合を行えるという。米国立標準技術研究所(NIST)が公開している、監視カメラなどが撮影しうるあらゆる条件を網羅したベンチマークデータセットにおいて世界最高水準の顔照合性能を実現したという。
従来の技術では、横顔や照明の明暗が強い場合、サングラスやマスクで顔が一部隠れている場合に顔照合に失敗する課題があった。新技術は、ディープラーニングによる特徴抽出と、撮影環境に合わせて顔照合の類似度計算を最適化する技術を組み合わせることで、同社の従来技術と比較して顔照合性能を最大5倍改善させることに成功したという。
同社は新技術を商用化し、監視カメラに写った要注意人物を自動検知するなど、さまざまなシーンで活用できる映像セキュリティ・本人確認ソリューションとして展開していくとしている。
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