「モンストを受け入れてくれる国とそうでない国が分かってきた」――ミクシィの森田仁基社長は5月10日に開いた決算説明会で、同社の収益の柱になっているスマートフォン向けゲーム事業の現状と今後について話した。「モンスターストライク」(モンスト)の国内アクティブユーザー数は1月に過去最高を記録した一方、海外展開は苦戦。今後はアジア地域向け新タイトルの開発などを通じて事業拡大を目指す。
同社の2017年3月期の通期連結業績は、売上高が前年比0.8%減の2071億円、営業利益は6.3%減の890億円で、減収減益だった。来期はモンストを中心とするエンターテインメント事業に130億円投資し、巻き返しを図る。
モンストの2016年度は、人気アニメやゲームとのコラボイベントに加え、オリジナルアニメや映画も公開。これらのメディアミックス施策やキャンペーンなどのユーザー還元施策を通じ、1月には全世界でユーザー数4000万人を突破した。
だが、そのほとんどは国内ユーザー。中国版、韓国版の撤退に続き、今年8月には北米版(英語版)サービスを終了するなど、海外展開に苦戦している。
そこで注力するのは新タイトルだ。新たに投資する130億円のうち、30億円は新規タイトルの開発費にあて「モンストの次の柱」(森田社長)の開発を急ぐ。
森田社長は「海外展開をする中で、(モンストを)受け入れてくれる国とそうでない国が分かってきた。(国内のスマホゲーム市場は飽和状態であるため)ここから売り上げを伸ばすのは難しいと思っている」と説明。新タイトルは、今もモンストを提供している台湾、香港、マカオなどアジア地域を中心に展開していくとした。
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