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雪に埋もれた遭難者のスマホ、ドローンが位置特定 ソフトバンク
約4メートルの雪に埋もれたスマホの位置を、中継局を載せた気球とドローンで特定する実験の結果をソフトバンクがまとめた。
中継局を搭載する気球とドローンを飛ばし、雪中に埋もれたスマートフォンの位置を特定する――ソフトバンクが5月22日、そんな実験の調査検討結果をまとめたと発表した。雪山などでの遭難者救助に役立てるという。
気球とドローンに中継局を載せ、周辺の基地局からの電波を捉えることで、携帯電話の電波が届くエリアを一時的に作り出し、遭難者の位置を特定する取り組み。昨年12月中旬に北海道倶知安町のスキー場で実験を行い、約4メートルの深さに埋もれたスマホの位置を特定することに成功した。
実験では、ドローンは約20〜30分、気球は約2〜3時間の連続運用が可能だったという。遭難者を急いで救出する場合はドローン、長時間にわたって捜索する場合は気球――といった使い分けを同社は提案している。
雪質や各種条件がスマホの通信距離に及ぼす影響も測定。(1)雪に含まれる水分が多い場合、(2)電波の入射角が大きい場合、(3)周波数が低い場合は、それぞれ雪中の通信可能位置が浅くなることが分かったという。
同実験は、総務省北海道総合通信局の受託事業としてソフトバンクが実施。同省は実験結果を踏まえ、引き続き技術的課題などを検討するとしている。
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