国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は5月31日、小売業・サービス業の店員が接客する様子を、人型ロボットがセンサーなどで読み取って学ぶ「見よう見まね技術」を開発したと発表した。店員の立ち振る舞いをロボットが“見て覚える”ため、開発者がプログラミングする作業が不要で、ロボット導入のコスト削減につなげる狙い。
店員が専用スマートフォンアプリ(Android向け)から「店舗前で呼び込み」「客に近づいてしゃべる」などの作業内容を選び、ロボットの前で実演。ロボットは、背面に搭載した360度対応のレーザー距離計、内蔵マイク、店舗天井の環境センサーを使い、店員の動き、来店者との距離感、発話内容などを自動的に学習し、その通りに実行するという。
ロボット向けソフトの開発者が、販売現場の店員からニーズを聞き取ってプログラミングする手間を省き、開発コストを削減できるとしている。
すでに複合商業施設「アジア太平洋トレードセンター」(大阪市住之江区)内の5店舗で実証実験を行い、有用性を確認したという。今後、デジタルサイネージを手掛けるMビジュアル(東京都文京区)と連携し、商店街などへの導入を進める。
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