Google、Android向けの「reCAPTCHA API」を発表
「reCAPTCHA Android API」では、Googleの最新技術を使って人間とボットを識別し、人間と認識されればクリックなしでユーザーを通過させる。
米Googleは6月9日、人間とボットを識別するための変形文字「reCAPTCHA」を進化させた、Android対応版のreCAPTCHA APIを発表した。Googleサービス用のAPIをパッケージ化した「Google Play開発者サービス」の一環として提供する。
同APIは、Googleの最新技術「Invisible reCAPTCHA」を使って人間とボットを識別する。Invisible reCAPTCHAでは、背後でリスク分析を行って、人間と認識されればクリックなしでユーザーを通過させる仕組み。「モバイルユーザーはスパムや不正を遠ざけたまま、中断されることなくアプリを楽しめる」とGoogleは解説する。
reCAPTCHA Android APIは、デバイス認証やセーフブラウジングなどのサービスを通じてモバイルアプリを保護する「Google SafetyNet」に含まれる。「モバイル開発者は、同じAPIでデバイスとユーザーの両方の認証を行って、一層効率的にアプリのリスクを回避できる」という。
GoogleのreCAPTCHAは10年前に開発され、当初は画面に表示した変形文字などをユーザーに読ませて入力させていた。2014年には変形文字を使わない「No CAPTCHA reCAPTCHA」が開発され、2017年3月にはInvisible reCAPTCHAへと進化。Googleでは「(ボットを除く)誰もがもっと安全で簡単にインターネットを使えるようにするために、reCAPTCHAの旅は続く」と説明している。
関連記事
- 変形文字の判読はもう不要、Googleが新型CAPTCHA開発
「私はロボットではありません」という文字の隣のチェックボックスをクリックしてチェックを入れるだけで済む。 - Googleのストリートビューによる住所特定アルゴリズム、reCAPTCHAの99%を解読
Google Mapsの住所特定に使われているストリートビュー画像の数字読み取りアルゴリズムの精度が上がり、reCAPTCHAの歪んだ数字の99%以上を読み取れるようになった。 - Googleが改良型CAPTCHAを発表、正規ユーザーの識別が容易に
人間のユーザーには簡単に解けるCAPTCHAを配信する一方で、自動化されたソフトウェアには解読困難なCAPTCHAを配信して、アクセスを食い止める。 - 「reCAPTCHA」破りのツール登場、Googleは強化版で対抗
ハッカーグループが発表したツール「Stiltwalker」は、99%の確率でreCAPTCHAを破ることができるとしていた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.