最近のクルマ、顔つきが“反抗期”っぽいのはなぜ? カーデザインのプロに理由を聞いた:新連載・クルマの未来はIoT(3/3 ページ)
乗り物とIoTの関係性をITmedia NEWSの車好き記者・ヤマグチが追う新連載がスタート。第1回目はSNSで話題になった“カーデザインの反抗期”について専門家に聞いてみた。カーデザインは「女性の化粧」と関係があるらしい。それってどういうこと?
これからの車に適したカーデザイン
──電気自動車や自動運転車といった新しい時代の車に適したカーデザインはあるのでしょうか
内藤 既に発売している100%電気自動車の「テスラ」は、ガソリン車と大きく形が変わりません。“あえて変えない”戦略らしいです。電気自動車はエンジンを冷やすための吸気口は必要ないはずですが、ガソリン車と同じ場所にそれっぽいものが付いています。
──日産「ノート」の電気自動車モデル「e-POWER」もガソリン車と同じデザインで登場しました
ノートも売れ筋の車です。形を大きく変えて「ノートの新型です」というよりは、パワーユニットを変えて「見た目はそのまま」のほうが売れる。
全く違う形にしてしまうと市場に受け入れられないのです。だから、あえてクルマらしい形にしていると聞いたことがあります。これから徐々に変化していくはずです。
──少し話はずれますが、「21世紀に間に合いました」のCMが印象的だったトヨタの初代ハイブリッドカー「プリウス」(1997年)が登場したときは、すごく変わったデザインだと感じました
内藤 (当時、ユニークに見せたデザインは)ハイブリッドカーのアイコンとして認知させたい部分はあったのでしょう。「これぐらいならおじさんたちにも買ってもらえるだろうか」──カーデザイナーは一生懸命バランスを考えたはずです。
坂口 自分の体よりも大きなものをデザインするのはとても難しくて、経験を積まないとできない。車はしんどいのです。ただ、昔と比べたらデザイナーと技術者たちのつながりがすごく強くなりました。昔はデザインといったら外形の皮、衣装だけだった。デザイナーの役割が理解されていなかったのです。
デザイナーの役割は、技術を人類が望んでいるものに近づける。お客さんと、車を作る技術側の間に入るものなのです。
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