ビットコインの取引停止、前倒し 「分裂危機」23日にも
日本のビットコイン取引所13社が、ビットコインの受け入れ・引き受け停止措置を前倒しに。8月1日に予想されている“分裂”危機が7月23日にも起きかねないという。
仮想通貨交換業者の業界団体・日本仮想通貨事業者協会(JCBA)は7月21日、ビットコインの“分裂”危機が23日にも起きかねないとして、8月1日に予定していたビットコインの受け入れ・引き出しの停止措置を、前倒しすると発表した。コインチェックなど加盟13社が対応する。
ビットコインはP2P方式の仮想通貨で、政府や中央銀行などの管理機関が存在しない。取引データを記録した「ブロック」を連鎖させた「ブロックチェーン」技術により、多重利用や改ざんを防いでいる。だが、利用者の急増でデータ量が増え、取引確定に時間がかかるようになったため、仕様を変更する議論が行われている。
ただ、新仕様の案をめぐり、(1)これまでのビットコインとの互換性を保つ「ソフトフォーク」の支持者、(2)互換性は保てなくなる「ハードフォーク」の支持者、(3)ソフトフォークをした上でハードフォークの実行を支持する者――などに派閥が分裂。フォークによってブロックチェーンが半永久的に分裂し、併存する可能性が出ている(関連記事)。分裂後、どちらかの仕様が使われず、そこでの取引が無効になる可能性もある。
この事態に備え、同協会に加盟する13の取引所は、8月1日から取引を停止するとしていた。しかし、23日にソフトフォークが発生する可能性があるとして、対応を前倒し。発生前に各取引所の判断で、ビットコインの受け入れ・引き出しを停止する。
23日の分裂に続き、8月1日にはハードフォークが発生する可能性も。ハードフォーク発生後、新しく形成されるブロックチェーンでは「ビットコインキャッシュ」という新しい仮想通貨が取り扱われる可能性があると、協会は指摘。各取引所に対し、ビットコインキャッシュが誰に帰属するか、ユーザーに帰属する場合はその割り当てをどのように決めるか――などを、1日以前に公表するよう求めている。
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