俺がこんなにカワイイわけがない──誰でも“美少女に変身する”VR 「かわいさ」追求する男3人の挑戦:ゆとり記者が聞く(番外編)(3/3 ページ)
VR(拡張現実)を使い、誰でも美少女になれる――そんな夢のような時代がやってきた。次世代のVRコミュニケーションに挑戦するベンチャー企業・カバーに開発の裏側を聞く。
「起業当初、いきなり『美少女キャラのVRを開発するぞ』と言って、投資を受ける自信がなかった」と谷郷社長は笑う。
カバーが最初に開発したのは、VRを使ってオンライン対戦できる卓球ゲーム「PIN PON LEAGUE」(PC向けゲーム配信プラットフォーム「Steam」で公開。無料)。
PIN PON LEAGUEは単なる卓球ゲームではなく、卓球場の空間を再現したようなゲーム。VR HMDと専用コントローラーでお互いのアバター(頭と手、ラケットのみ)をVR空間に登場させる。自分の立ち位置やスイングの速さなども感知するため、本当にその場で卓球をしているような感覚になる。
「2020年に東京五輪が控えているし、日本は卓球が強いので、VRアミューズメント施設などでの需要があるのではと考えていた。しかし、『スポッチャ』のようなカジュアルスポーツ施設はすでにあるので、VRで代替するのは難しいなと」(谷郷社長)
しかし「実はその裏で、ひそかに美少女キャラのVRも作っていた」という。「やはりキャラものを作りたいという気持ちが強く、やってみるとこちらの方が面白かった。今はVRスポーツゲーム開発はやめて、美少女VR開発に注力している」(同)
かつて「投資を受ける自信がなかった」というアイデアだが、今では世界を見据えた大きな挑戦になった。アニメ「マクロスFRONTIER」が好きだという谷郷社長は、「2020年の東京五輪で、巨大なシェリル・ノームが空中で歌うような映像表現ができると面白い」と、VR/ARの可能性に思いをはせる。
VRに魅せられた3人が開発する次世代の映像配信プラットフォームは、第2の初音ミクを世界に送り出せるか──。
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