「お届け日時の確認ですにゃ」「ご希望を承りましたにゃ」――ヤマト運輸の荷物問い合わせを「LINE」で行えるサービスが、“ねこ語”に対応していると話題だ。ユーザーが語尾に「にゃ?」などを付けて話し掛けると、ヤマト運輸側もねこ語で返事をしてくれる。ネット上では「ほっこりする」「かわいいにゃ」など好意的な意見が。ねこ語を始めた狙いを、ヤマト運輸に聞いた。
同サービスは、ヤマト運輸のLINE公式アカウントとのトーク画面で、配送時間変更や集荷依頼を行えるというもの。人工知能(AI)チャットボットが会話形式で手順を案内してくれる(関連記事)。その際、ユーザーが語尾に「にゃ!」「にゃ?」「にゃーん」などを付けて質問すると、ヤマト運輸のアカウントも語尾に「にゃ」を付けるようになる。
そんなクロ「ネコ」ヤマトならではの取り組みを始めた理由は何か。ヤマト運輸広報戦略部の刀根明日香さんは「ねこ語を通じて(同サービスに)親しみを持ってほしい」と話す。
同社がLINEアカウントの運用を始めたのは2016年1月(関連記事)。ねこ語は、開始当初から対応していたわけではなく、「16年11月にヤマト運輸がLINEスタンプを配布をした際、スタンプに合わせた応答機能を始めた」のがきっかけという。
当初は、ユーザーが「ありがとう」というスタンプを使うと「ありがとにゃ」と返す――というように、決まった言葉だけを返すようにしていた。この機能が反響を呼び、スタンプを使わない会話でもねこ語対応を検討。17年2月に導入した。
「お客さまからは好評で、多くの方にご利用いただいている」(刀根さん)
LINE活用、効果は?
刀根さんによれば、公式LINEアカウントの活用により、配達日変更、再配達依頼を行うユーザーが増え、同社会員「クロネコメンバーズ」の登録数増加にもつながっているという。
LINEのトーク画面で、荷物が届く時間を事前に通知する機能もある。ユーザーがこの事前通知を確認し、都合が合わない場合は配達日を変更するように促す。そうすることで「お好きな日時や場所で受け取ってもらえるユーザーが増えた」。再配達の削減、ドライバーの負担軽減にも寄与しているという。
刀根さんは「ねこ語は、こうした機能を訴求、利用を拡大する狙いもある」「今後は、新しいサービスも検討し、利便性向上を目指す」とコメントした。
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