ヤフー宮坂社長「Eコマースにパワーを集中」「ニーズないサービスやめる」
「ニーズがなくなっているサービスはやめ、Eコマースなどにパワーを集中させる」――ヤフーの宮坂学社長が、決算説明会で今後の展望を語った。
「ニーズがなくなっているサービスはやめ、Eコマース(電子商取引)などにパワーを集中させる」――ヤフーの宮坂学社長は7月28日開いた決算説明会でそう話した。同社は「Yahoo!ツールバー」「Yahoo!カテゴリ」など、10年以上継続した“老舗サービス”の終了を予定している。選択と集中により、収益が見込めるコマース事業により注力していく考えだ。
同日発表した2017年4〜6月期の連結業績は、売上高が前年同期比4.1%増の2127億円、営業利益が2.6%増の522億円だった。増益の背景には、今年2月に同社子会社アスクルの物流倉庫(埼玉県)で発生した火災による保険金収入もあるが、「こちらは一過性のもの」(宮坂社長)で、既存事業、特に主力のコマース事業が貢献したという。
「Yahoo!ショッピング」と「LOHACO」の合計取扱高は、前年同期比で39.9%増加。流通量が拡大し、Yahoo!ショッピングの広告売上高も約2倍に増え、コマース事業全体の増収に結び付いたという。
この裏側には、ソフトバンクとの連携があるという。ヤフーは、ソフトバンクのスマートフォンユーザー向けに、Yahoo!ショッピングなどでのみ使える「期間固定Tポイント」を還元するキャンペーンを実施するなどして、活性化につながったとしている。
宮坂社長は「(Yahoo!ショッピングなどの)購入者は新規、既存ともに増加しており、月額会員『Yahoo!プレミアム』の利用者が占める割合も増えている。シナリオは好調だ」と話す。
「ショッピングの流通が伸びれば、広告収益やクレジットカード『Yahoo!JAPANカード』の決済手数料も増えていく。さらにリボ払い、分割払いの金利、手数料などの収入も加わる。コマース事業を重層的に成長させていく」
一方、ヤフーは今年10月末に「Yahoo!ツールバー」、来年3月末に「Yahoo!カテゴリ」の提供を終了する(関連記事)。それぞれ2002年、1996年から続けていた“老舗サービス”だ。
宮坂社長は「選択と集中の結果として、お客さまのニーズがなくなってきているものやこれ以上ないものはやめる」「Eコマースなどにパワーを集中させる」としている。
今後は、Eコマース取扱高の最大化を目指すとともに、動画配信などによる「リッチメディア化」、自社の持つビッグデータを活用する「データドリブン化」を進めるという。
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