「わたあめ」作るロボット、三菱電機が展示 「けん玉」や「輪投げ」ロボットもすごかった:ロボカップ2017名古屋世界大会
三菱電機が魅せる、産業用ロボットアームの展示方法とは?
けん玉、わたあめ、輪投げ──7月27〜30日に開催中の「ロボカップ2017 名古屋世界大会」で、三菱電機の産業用ロボットブースが異彩を放っている。
けん玉をしているのは、三菱電機の産業用ロボットアーム「MELFA RV-4FL」。上部にビジョンセンサーを設置しており、玉の中心位置をリアルタイムに取得する。あらかじめ設定されたアームの動きはそのままに、画像解析技術により中心位置を微調整しているという。
わたあめを作るアームロボット「綿菓子ロボット」は、ロボットアームの性能をアピールするために企画されたデモンストレーション用。目も口もないアームロボットだが、エプロンを付けているためか愛嬌がある。
ヒトが指定の場所に割りばしを設置し、スタートボタンを押すと稼働する。ロボットが計量スプーンをつかみ、砂糖を機械に入れるとふわふわとしたわたあめが現れる。すかさずロボットは手際よく割りばしをつかみ、力強くわたあめを割りばしに巻き付けていく。指定の位置に割りばしを置いて完成だ。これらの動きは事前に全てプログラムされているという。
途中、ふわふわと舞うわたあめがモーターに絡まないかと心配したが、なんとか大丈夫のようだ。作り終わると案の定、ロボット本体にはあめが絡み付いており、1回ずつヒトの手によってつまみ取られていた。また、砂糖も真ん中がへこみ、ロボットがすくいづらくなっているため、ヒトの手によって毎回平らにならされる。
輪投げロボットは、アームの周りに柵が設けられていないのが特徴。アームの両隣には黄色と黒のレーザーセンサーが取り付けられている。それぞれのセンサーは270度で周囲を見渡せるようになっており、計2台のセンサーで360度をカバー。ヒトが近づくとロボットは動作を停止するため、柵がなくても安全性を保てるという。さらに「投げ終わったら輪を取りに行く」というスタッフの動きをスムーズにしていた。
「産業用ロボットアーム」という、普段の生活の中ではなかなか触れることの少ないロボット。お祭りのようなブースには、そんなロボットを魅せるための工夫が詰まっていた。
(太田智美)
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