琉球大学は8月17日、長崎県・対馬で今年2月に撮影したカワウソの動画をWeb上で公開した。動画から種の特定はできなかったが、絶滅したとされるニホンカワウソの可能性がある。その場合は、国内で38年ぶりの発見という。
ニホンカワウソは、明治時代までは日本全国に生息していたが、毛皮目的の乱獲や生息地の破壊で個体数が減少。1979年に高知県で目撃されたのを最後に、生息が確認されておらず、12年には環境省が絶滅種に指定した。
今回発見したカワウソは、ツシマヤマネコの生態調査のために設置した固定カメラに映り込んでいた。種の特定はできていない。同大の研究チームは(1)対馬で生き残っていた、(2)韓国から泳いで渡ってきた、(3)海外から人間が持ち込んだ――のいずれかの可能性があるとしている。
環境省は、今年7月からカワウソの糞や巣を探す生態調査をスタート。糞が見つかれば、種名や個体がどこから来たのかを分析できるという。
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