日立製作所はこのほど、従業員がポケットなどに入れたスマートフォンで、職場などの“幸福度”を計測する技術を開発したと発表した。スマホ内蔵の加速度センサーで従業員の行動パターンなどを捉え、組織の幸福度(組織活性度)を算出する。
同社は、体の動きと組織の幸福度に相関関係があるとし、加速度センサーなどを搭載した名札型デバイスで幸福度を測る技術を開発。三菱東京UFJ銀行や日本航空など20社以上に提供している。
新技術ではこの名札型デバイスを使わず、スマホだけで幸福度の計測が可能に。スマホ内蔵のセンサーは、性能や仕様が名札型と異なる上に、電話やメールを利用している間は正常な計測ができないという課題があった。そこで、スマホと名札型の両センサーが計測した結果の関係性をAI(人工知能)に学習させ、スマホで得たデータを補正する仕組みを開発した。
今後は実証実験などを進め、より簡単に幸福度を測れるサービスとして提供を目指す。一方、従来の名札型デバイスも、より本格的な幸福度計測を求める企業向けに提供を続けるという。
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