「私と彼は親密だ」という錯覚
清田さん さっきの説明でいうと、ネットはいろんな過程をすっ飛ばしていきなり「デート関係」になれますよね。なのに、デート関係“まで”進展していると勘違いしてしまう錯覚です。
―― でも、実際は名前も知らないし、そこまで仲良くない。
森田さん ネットの出会いは、盛り上がるまでが早いなっていうのはありますね。距離の詰め方というか、グワッと一気に盛り上がって。
清田さん (右腕を斜めにしながら)3カ月から半年でカーブが上向きになって、盛り上がった山の頂点で突然ぷつっと。
―― ぷつっと? 別れるんですか?
清田さん いえ、「仕事が忙しくなった」とか言って、彼の方が音信不通になるんです。突然振られたりもあります。いろんな相談が来ますが、このカーブの形はみんな似ているかもしれない。
―― そこに共通する問題は何でしょうか。
清田さん 先ほども言いましたが、ネットはショートカットできて便利な一方で、錯覚を起こす可能性もあります。錯覚している状態で関係が切れると、「あんなに仲良しだったのに、こんなあっけなく終わっちゃうの?」と、その絆のもろさに驚いてしまう。
森田さん 普通はその後、気持ちは落ち着いていくものですが、突然のことすぎて感情のやり場がないんですよね。お互い良い顔しか見せてないから、良い思い出しかないわけですし。
―― 良い所も悪い所も含めて関係を深めていくものだけど、そこまでたどりつかない。
清田さん この“ぶっちぎり切断”が起きる背景には、“しがらみ”が関係しています。うまくいっている恋愛には、背景にしがらみがあるケースが多い。
―― しがらみ、ですか。
真剣に関係を築いていきたい相手との間には「しがらみが重要」だと話す清田さん。このしがらみとは、具体的に何を指すのか。この続きは明日に掲載。
(続く)
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