「みんなのAI」――ソニーCSLなど新会社 深層学習AIを誰でも教育できるツール公開へ
ソニーコンピュータサイエンス研究所とUEI、米WiLが「みんなAI」をコンセプトにした新会社。手持ちのデータをアップロードするだけで深層学習AIを教育できるという「GHELIA Studio」を公開へ。
ソニーコンピュータサイエンス研究所とUEI、ベンチャーファンドの米WiLは共同で、誰もが人工知能(AI)を使いこなせる環境を構築することを目的とした合弁会社「ギリア株式会社」(GHELIA)を設立したと発表した。第1弾製品として、手持ちのデータをアップロードするだけで深層学習AIを教育できるという「GHELIA Studio」を開発し、年内のベータ版公開、来年3月までのサービス開始を目指す。
新会社の資本金は1億5000万円(資本準備金1億5000万円)。UEIが42.8%、ソニーCSLとWiLがそれぞれ28.6%出資する。社長にはUEI社長の清水亮氏が、会長にはソニーCSL社長の北野宏明氏が就任。清水氏は今年中にUEIの社長を退き、新会社に専念する。従業員は約20人。
新会社のコンセプトは「みんなのAI」。最先端の深層学習技術を誰もが使いこなせるよう、OSやハードウェアを含む統合AIプラットフォームを開発するという。「あらゆる人々がAIを自分の能力の一部として使いこなせる社会を実現するための製品開発を行う」としており、世界展開を視野に入れる。
第1弾製品のGHELIA Studioは、手持ちのデータをアップロードするだけで、そのデータを使うとどんな人工知能が作れるか提案され、人工知能のタイプを選ぶだけで全自動で学習を開始するツールになるという。オンプレミス版とクラウドASP版を用意。推奨環境は、Ubuntu Linux 14.04以上/NVIDIA Kepler世代以降/XEON E5-2620v2 x2以上。
ソニーCSLは、UEIが2013年に開発した手書きプログラミング端末「enchantMOON」を契機にUEIと連携をスタート。「AI技術をコモディティ化するタイミングが来た」と判断し、事業化を決断したとしている。
関連記事
- 「enchantMOON」販売終了 新機種開発へ
手書きメモに特化したタブレット型コンピュータ「enchantMOON」の販売が年内で終了。新機種の開発も示唆している。 - ソニーとWiL、スマホで施錠する「スマートロック」新会社
スマートフォンから住宅などの鍵の施錠・解錠ができる「スマートロック」の開発や販売、サービス運営を行う新会社を、ソニーとベンチャーファンドのWiLが設立する。 - スマートロック普及の“鍵”は何か 「Akerun」開発元の決算
日本全国の企業情報を取り扱うアプリ「NOKIZAL」の“中の人”が、気になる企業業績をピックアップしてご紹介します。 - 忘れ物を防げるスマートタグ「Qrio Smart Tag」 ソニーのデザインチームが参加
スマートフォンアプリからブザーを鳴らしたり位置を確認できるスマートタグ「Qrio Smart Tagが登場。鍵やバッグなどに取り付ければ、忘れ物や落とし物を防げる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.