ドワンゴ川上会長、niconico運営責任者を“退任” 栗田取締役のもと新体制へ
ドワンゴの川上会長が「niconico」運営責任者を退き、栗田穣崇取締役が引き継ぐと明らかに。ユーザーから批判が殺到した「画質、重さ」問題に臨む。
ドワンゴは12月12日、川上量生会長が動画サービス「niconico」の運営責任者を退き、栗田穣崇取締役が引き継ぐことを明らかにした。栗田氏はユーザーから批判が殺到した「画質、重さ」問題の対策を進めるという。川上会長は運営方針の決定権を移譲するが、新規サービスの開発などには携わるとしている。
12日午後8時からニコニコ生放送で配信した「動画と生放送サービスに対する意見交換会」で、栗田氏が明らかにした。これまでは川上会長が生放送番組など出演し、ユーザーとコミュニケーションする“窓口”を務めていたが、今後は栗田氏が引き継ぐ。
栗田氏は「(ユーザーの視点に近い)ニコニコが好きな20〜30代の社員が『こういうことをしたい』と私のところに意見を持ってきて、ビジネス的に、ないしは中身のよさで判断する体制にしたい」と話した。
同社は11月末、niconicoの新バージョン「く」の詳細を発表。新ユーザーインタフェース「nicocas」を含め新機能を盛り込んだが、当初のリリース予定時期(10月)から遅れた上に、以前からユーザーの多くが指摘していた画質・読み込み速度の課題が「完全には解決していない」(川上会長)ことが明らかに。ネット上では「新機能を実装するよりも基本機能を優先して改善すべきではないか」との批判が相次いだ。
これを受け、川上会長が30日、「ユーザーの不便や不満点に十分目を向けられていなかった」と謝罪し、近く画質を向上させると発表した。一方、栗田氏のTwitterアカウントには、28日の発表会以降、批判や意見が殺到。栗田氏が個別に返信(リプライ)していた。
関連記事
- niconico、新体制で再スタート 対話重視の運営 ユーザーは“高評価”
12月12日にユーザーとの意見交換を目的にした生放送を配信したniconico。運営責任者が川上会長から栗田穣崇取締役になるなど、新たな体制で再スタートを切る。 - 「昔のニコ動に戻りたい」は叶わぬ夢か 運営とユーザー“温度差”のワケ
大荒れだった「niconico(く)」の発表会。運営とユーザーに生じた“温度差”の正体は何か。 - ニコニコ、1080p動画のテスト運用開始 PC版で
ドワンゴは、PC版「ニコニコ動画」で、1080p動画のテスト運用を始めた。 - 「niconico」最大画質引き上げへ 「く」批判受け、川上会長が謝罪
ドワンゴが「niconico」の動画・生放送の最大画質を引き上げると発表。新バージョン「く」の機能への批判を受け、基本機能を見直す。 - niconico「く」、ネットの反応は“大荒れ” 新機能よりも「まず画質・高速化」
新機能を盛り込んだ「niconico」の新バージョン「く」だが、ネット上の反応は“大荒れ”。「まずは画質、読み込み速度を改善してほしい」など厳しい意見も目立つ。 - 「niconico」新バージョン「く」来年2月公開 ログイン不要の新UI「nicocas」も
ドワンゴが、動画サービス「niconico」新バージョン「く」を2018年2月28日に公開する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.