暗号通貨で決済するクラウドファンディング「REAL BOOST」、β版公開
暗号通貨「イーサリアム」で決済を行うクラウドファンディングサイト「REAL BOOST」のβ版が公開。
スマートコントラクト事業を行うbacoor(バコオアー)はこのほど、暗号通貨「イーサリアム」で決済を行うクラウドファンディングサイト「REAL BOOST」(リアルブースト)のβ版を公開した。世界中に利用者がいる暗号通貨を使うことで、海外からの支援を受けやすくする狙い。
支援者がサポートしたいクリエイターにイーサリアムを送ると、クリエイターごとに独自発行する「オリジナルコイン」を自動で受け取れる。オリジナルコインは、クリエイターのコンテンツ閲覧や購入に使える。支援者はオリジナルコインをイーサリアムと交換はできない。クリエイターは支援額の20%を手数料としてbacoorに支払う。
クリエイターは、サイト内のブログで活動内容の報告やアピールが可能。支援者が保有するオリジナルコインの額に応じ、ブログの閲覧を制限できる。
例えば、あるクリエイターのコインを100持っている支援者が、「300コイン以上保有」の制限が設定されたブログ記事を読むには、200コイン分のイーサリアムを追加支援する必要がある。ただオリジナルコインは、閲覧のたびに消費されるわけではないため、制限以上のコインを保有していれば、コインを追加することなく支援できるとしている。
REAL BOOSTでは目標金額や資金調達期限の設定がないため、クリエイターがコンテンツを発信し続ければ、継続的に支援を得られるという。
12日時点では、クリエイターの支援やブログの閲覧制限しか行えないが、18日に機能をアップデート予定。コンテンツのアップロード機能、クリエイターが記事を投稿して自分のオリジナルコインを受け取れる機能、支援者がコンテンツとコインを交換してダウンロードできる機能などを追加するという。今後はイーサリアム以外の暗号通貨にも対応するとしている。
REAL BOOSTでクラウドファンディングをするには、bacoorのWebサイトから受援者登録を行い、審査を受ける必要がある。オリジナルコインの管理には、bacoorが提供するウォレットアプリ「HB Wallet」(iOS/Android)を利用する。
12日午後8時からはβ版リリースを記念し、ユーザー登録を行った先着3000人に5米ドル分のイーサリアムをプレゼントするキャンペーンを実施。実施期間は登録者が3000人に達するまでとし、すでにユーザー登録している人も対象に含む。
イーサリアムは暗号通貨の1つで、通貨単位はイーサ(Ether)。ビットコイン同様マイニング(採掘)で新規発行されているが、通貨に特化したビットコインと違い、ユーザーが定めた条件に従って資産管理や契約(スマートコントラクト)を行える。
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