KDDI、ゼンリン、富士通は12月26日、クルマの自動運転技術に使う高精度な3次元地図「ダイナミックマップ」の生成に必要なデータの収集や、配信技術の実証実験を2018年1月に共同で始めると発表した。
ダイナミックマップは、道路工事、事故、渋滞、気象、信号の状況など、更新頻度が高い動的な情報と、地図情報を複数のレイヤー(層)で組み合わせて逐次生成する3次元地図。クルマの自動運転や運転支援システムで活用する。
実験では、データ収集、ダイナミックマップ生成、配信基盤を構築し、生成の処理性能や自動運転車にデータ配信する所要時間などを検証するという。通信経路には4G LTEのほか、5G(第5世代移動通信方式)の活用も見込む。
KDDIは車載カメラやセンサーから得た情報を効率的にアップロードするための車載通信モジュールやネットワークの検証、ゼンリンは動的情報と連携する高精度地図データの提供、富士通は車載センサーから得たデータと地図のひも付けなどを行う管理機能を提供する。
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