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niconico“炎上発表会”の舞台裏 「新しいものは賛否両論あっていい」 新トップ栗田取締役独占インタビュー川上氏の思いは(2/5 ページ)

川上量生氏が運営責任者をしりぞき、新体制でスタートを切った動画サービスの「niconico」。“大荒れ”だった発表会の裏側や、これからのniconicoが目指す方向性について、新トップの栗田穣崇取締役が語った。

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ユーザーとの“対話不足”を実感 ニコキャスは「もっと盛り上がった」

── クレッシェンドの発表会は厳しい意見が飛び交う独特な雰囲気でしたが、どんな思いで壇上に立っていましたか。

栗田取締役(以下、栗田) 10月にリリースするはずの新バージョン「クレッシェンド」が予定通り出なかった、「完全解決する」と言っていた画質・遅延の問題が改善されていなかった、という経緯がありました。

 「まずは新しいものを提供しよう」と考え、要望の多かった「動画や生放送の画質・遅延の改善」が後手になっていました。ユーザーとの対話不足はずっと課題に感じていましたが、これは本気で取り掛からないとダメだなと。

栗田取締役
クレッシェンドの発表会を振り返る栗田取締役

── 「新機能よりまずは基本をしっかりしてほしい」という声が多くありました。

栗田 発表会の冒頭に「画質・遅延の改善」について説明するスライドをお見せしましたが、最初はあれもなくて僕が入れてくれと言ったんです。川上としては、「nicocas」(ニコキャス)のような面白い新サービスを出せばユーザーも納得してくれると思っていて、そこはユーザーの思いと乖離(かいり)がありました。

ニコキャス
新UI「nicocas」(ニコキャス)

── 川上さんの考えとユーザーが望むものにズレが生じていた?

栗田 川上は「新しいものを目に見える形で見せないとユーザーは納得しない」「機能改善はやって当たり前だから、いちいち報告するのは格好悪い」という考えの持ち主。改善も少しずつしていましたが、しっかり告知できておらず説明不足なのは確かで、ユーザーに対してきちんとコミュニケーションしてこなかったのは問題でした。

── 新しいユーザーインタフェースのニコキャス自体はユーザーに受け入れられたと思いますか。

栗田 新しいものは良い意味で賛否両論あっていいと思っていて、ニコキャスはその類いのもの。画質・遅延の問題などが改善されていれば、ニコキャスもそれなりに盛り上がっていたと思います。

ニコキャス
ニコキャスで実現する新機能

── 発表会後、栗田さんはTwitterでユーザーから意見や要望を受け付けていました。膨大な数の意見が寄せられてましたが、あれは個人判断で始めたのでしょうか。

栗田 完全に個人判断です。このままではまずいので、皆さんが何を言いたいのかを僕の方で受け止めようと。Twitterだけでも2000件以上の意見が来て。

── 最終的に1万件以上の要望が集まりました。

栗田 これだけお客さんにいろいろ言ってもらえるサービスは他にないんじゃないかなと。恵まれていると思います。

── 批判も多くありましたが、期待の裏返しのようにも感じました。

栗田 それはすごく感じています。niconicoを愛しているが故に、今の状況はどうなのという声は多い。あのときは「niconicoが好きだ」ってことを言いにくい雰囲気ができていて。支持してくれるファンの人たちが発言しやすい雰囲気や環境を作っていくのがわれわれの仕事です。

川上氏が運営責任者を退いた理由

── 発表会後、川上さんは運営責任者を退き、栗田さんがトップの新体制になりました。いつこの人事を決めたのでしょうか。

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