ホンダのロボットが「もち肌」になった理由:CES 2018(2/2 ページ)
本田技研工業が「CES 2018」に出展したロボット「3E-A18」。表面を触ってみると、柔らかい“もち肌”だった。開発担当者に詳しい話を聞いた。
表情豊かな「3E-C18」
「3E-C18」もCESで初めて動く姿が披露されたユニークなロボットだ。3E-A18に比べると車輪がむき出しになっているからクルマっぽいのだが、電気を動力としているので静か。本体正面のディスプレイには喜怒哀楽の表情が映し出される。開発を担当した本田技研研究所 R&DセンターXの鶴見真伸さんに3E-C18のコンセプトを聞いた。
「3E-C18は、本体上部のアタッチメントが交換できる仕組みになっています。例えば商業施設の販売支援やイベントなど、さまざまな場面で人のため役に立つイメージを想像していただければと思います」。最大時速6km前後で移動する低速電気自動車として、人の生活圏で活躍するロボットを目指した。
ホンダでは「3E」のコンセプトを実現するため、ロボットに搭載する人工知能を独自に「CI=Cooperative Intelligence」と呼んで研究開発している。CIにより、今回出展されたロボットは走行中にぶつからないよう、互いにコミュニケーションを取りながら動くという。
「Honda Mobile Power Pack」
CESの展示ではロボットのほかにも「Honda Mobile Power Pack」のプラットフォームサービスが紹介され、注目を集めていた。Honda Mobile Power Packとは、再生可能エネルギーを利用しながら発電した電気を蓄え小型電動モビリティーの動力や、家電に給電するバッテリーとして使用することを想定した可搬式のバッテリーパック。国内では2018年中の発売を予定している電動スクーター「PCX ELECTRIC」に採用が決まっている。
CESでは複数のパワーパックを同時に充電できる店舗設置用の充電ステーションユニットや、パワーパックからUSBやAC電源を供給するためのポータブルユースのコンセプトも展示していた。充電ステーションは今冬から、ホンダのディーラーショップなど設置して実証実験を行う計画。今年は自動車関連の出展も目立ったCESだが、中でもホンダの提案がひときわ多くの来場者から共感を得ていたようだ。
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