新潮社、Amazonドラマ「チェイス」配信中止要請 『殺人犯はそこにいる』と酷似
新潮社とジャーナリストの清水潔氏が、ドラマ「チェイス」の配信中止を求め、アマゾンジャパンなどに要請。チェイスは、新潮社が刊行する清水氏のノンフィクション作品『殺人犯はそこにいる』との酷似が指摘されている。
新潮社は1月18日、Amazonプライム・ビデオで配信中のドラマ「チェイス」について、配信元のアマゾンジャパンと製作会社のJokerFilmsに対して、配信を中止するよう、ジャーナリストの清水潔氏とともに17日付で書面で申し入れたと発表した。チェイスは、新潮社が刊行する清水氏のノンフィクション作品『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』との酷似が指摘され、騒ぎになっていた。
チェイスは、「27年前の連続幼児誘拐殺人事件」をテーマにした連続ドラマで、昨年12月22日に第1話の配信がスタート。「殺人犯はそこにいる」は、1979年以降に栃木県と群馬県で発生した連続幼女誘拐冊殺人事件の真相に迫るノンフィクション作品だ。
チェイスを見た人から「『殺人犯はそこにいる』が原作では?」との指摘が相次ぎ、新潮社にも問い合わせがあったという。新潮社は昨年12月28日、「弊社・清水氏は『チェイス』の制作について何ら関知していない」との声明を発表。「『殺人犯はそこにいる』の映像化については、書籍発売後から数多くのお話を頂戴しているが、事件の被害者であるご遺族の感情に配慮し、弊社・清水氏は慎重に検討を進めている」と明かしていた。
制作会社のJokerFilmsは1月1日、チェイスについて、「複数の文献や判決文等に記載された、客観的に明らかとなった周知の事実を踏まえて『架空の物語』を創作したものであり、特定の書籍に依拠したものではない」などと釈明するコメントを出している。
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