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深センで最先端電子マネー 中華スマホサービス体験マニュアル茂田カツノリの「ギークシティ深センの遊び方」(1/4 ページ)

ドローンがブンブン飛び、LEDはギラギラと輝き、ホバーボードは走りまくり、町中にIoTシェアサイクルやEVのタクシーやバスが走り回り、屋台では皆がスマホで電子決済する近未来ハイテンションシティ「深セン」。そこにほぼ毎月通う茂田カツノリ氏が「深センの今」をお伝えする。第2回は、スマホ電子マネーと、そこから派生したサービスの実体験方法だ。

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 深センは電気街や新興企業や派手な街並みが楽しいわけだが、それ以上の面白さと言えるのが「WeChat Pay」による電子マネーと、スマホ決済を基盤として生まれた各種のサービスだ。これらは外国人の利用を想定していないので利用にはコツが必要だが、手間をかければおおむね使える。

 「なぜスマホ決済が社会を変えてゆくのか?」という点を考えるにあたり、フィンテックや電子マネーといった社会変革を自分自身で感じ取ることに価値があると思うなら、ぜひとも深センに行って体験してきてほしい。世界一変化が速くて「ある種の自由」があり、新しもの好きが多く未来を突っ走っていて、技術系の若者が多くスマホ所有率の高い深センこそ、未来を体験するのにぴったりだ。そう、自由主義体制の日本よりも共産主義体制の中国のほうが自由を感じることは、皮肉なことに割と多い。日本社会はちょっと窮屈になり過ぎている。

 本稿の解説は、なんせスマホのサービスなので画面も機能もルールもコロコロ変わってしまうため、あくまで2017年12月時点の情報として利用してほしい。ルール変更で突然使えなくなったりアカウントが凍結されることもありうるので、そのあたりも自己責任で行動してほしい。

 なおWeChat Payアクティベート、eSender実名認証、Mobike、Didiのアカウント作成までは、出発前もしくはネット状況の良い香港で済ませておこう。

 香港の空港もしくはA43/A43P市バスには無料のWi-Fiや電源があるので助かる。またお持ちのスマホがSIMフリーではない、または日本のSIMも生かしておかねばならないという場合は到着日だけ海外パケット定額を使い、香港で中国・香港両用SIMを購入、深センか香港でスマホを購入しテザリングするという方法もある。これなら購入したスマホはとりあえず英語モードで使えればよく、帰国してからパソコンをつないで日本語化すればよい。そしてXiaomiなど中国で買えるスマホの多くはDSDS(Dual SIM - Dual Standby)対応だから、周波数帯の微妙な差はあるものの日本でも利用価値はある。

まずはWeChatアカウント作成

 時価総額がFacebookを超えたことで話題の中国企業「テンセント」が運営するチャットソフト「微信(ウェイシン)」、英語名「WeChat」は、中国に行くなら必須のアプリだ。なにせFacebookもLINEも使えない国なので。アカウント作成は簡単で、SMSが受けられさえすればすぐ開通できるほか、日本での登録ならFacebookアカウントから紐づけることも可能。

 WeChatの名前は「Katsunori Shigeta - 茂田克格」のようにいろいろな国の人にわかるようにしておこう。会社名も含めるほうが好ましい。あらかじめ友達との連絡などで使って慣れておこう。

 なお言語設定は英語にしておくのがお勧めで、本稿でも英語設定を前提に解説している。中国語でチャットを投げられた際には長押しで翻訳ができるが、日本語だと精度が悪く、一方で英語・中国語間はかなり優れた翻訳をしてくれるから、英語モードにしておくほうが便利なのだ。

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若者ばかりの深センではすべての人が使ってると思って間違いないWeChat。長押し→Translateで翻訳できるので、顔を突き合わせてる同士がスマホでちまちま会話するという、笑える光景がよくある

 なお「中国だからチャットの内容も検閲されているに違いない」と思われるかもだが、実はそのとおり。それが中国という国なので、あまり不穏な単語はクローラーに引っかかるからWeChatには書いてはいけない。

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