“投げ銭”サービス「Osushi」、トラブル相次ぎ休止 運営元が返金対応
投げ銭サービス「Osushi」で公開直後から「二重決済された」などのトラブルが起き、即日サービスを休止。ユーザー情報、決済情報などを完全削除し、返金対応したという。
ネット上でクリエイターなどに100円から“投げ銭”できるサービス「Osushi」が2月1日午後2時ごろにオープンしたが、直後から「二重決済された」「同意なしにクレジットカード情報が記憶される」などの批判が殺到し、午後9時ごろにサービスを休止した。運営元のウォンタ(東京都新宿区)は2日午前10時ごろ、ユーザー情報や決済情報を全て削除し、全ユーザーへ返金したと発表した。再開のめどは明らかにしていない。
Osushiは、応援したいブロガー、ソフトウェア開発者などに100円〜1000円を寄付できるというサービス。送りたい相手のページに遷移し、価格を設定、クレジットカード情報を入力して決済すると“投げ銭”できる。
サービス内では、投げ銭を「お寿司」、相手へのメッセージ(無料)を「お茶」、メッセージへの返信を「玉子」と呼んでいた。他のユーザーから受け取ったお寿司は、1000円以上になると銀行口座に自動振り込みされるという。ウォンタは、ユーザーがお寿司を購入する際の手数料(10%)と、口座振り込みの手数料(200円)を取るとしていた。
しかし公開直後から「二重決済された」「同意なしにクレジットカード情報が記憶される」「一度登録したクレジットカード情報は削除できない」「他人と同じユーザーIDにできる」「ユーザーIDに制限文字がなく特殊文字にすると挙動がおかしくなる」「退会する窓口がない」などの指摘がネット上で相次いだ。
「法的に問題があるのでは」という声も上がった。Osushi公式サイトによれば「お寿司はメタファーです。お寿司という名のお金をやりとりを行います」という。資金決済法に基づくと、送金サービスを運営する場合、資金移動業者としての登録を受ける必要がある。金融庁の登録者一覧(17年12月31日時点)には運営元ウォンタの掲載はない。
また犯罪収益移転防止法に基づき、ユーザーに本人確認させる仕組みが求められる場合があるが、Osushiには本人確認の方法は備わっていなかった。
ウォンタは1日午後9時ごろ、「いったんメンテナンスモードに入る」とし、各種システム改修、問い合わせ対応、運用フロー整備などを行うと説明。2月午前10時ごろ、直近の対応として全データ(ユーザー情報、決済情報など)を完全に削除、ユーザーへの返金対応を完了したという。
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