脳波やジェスチャー操作も ここまで進化した “未来を感じる”クルマたち(2/2 ページ)
脳波やジェスチャー、声で操作──未来のクルマはどうなっていくのか。今年お披露目されたコンセプトカーや周辺技術を紹介していきたい。
クルマは声で操作する時代? 「CES 2018」の注目点
世界最大級のテクノロジー展示会「CES 2018」(米ラスベガス、1月)で注目を集めたのが、声でクルマを操作するボイスインタフェースの技術。運転中はハンドルから手を離せないため、音声操作は相性が良く、声で操作できるカーナビゲーションシステムなども商品化されている。
CES 2018では、パナソニックが車載インフォテインメントシステム(In-Vehicle Infotainment:IVI、情報と娯楽を提供する情報システム)で、米Amazon.comとGoogleをパートナーに迎えることを明らかにした。
今後発売する製品にAIアシスタントの「Alexa」と「Googleアシスタント」を搭載。AIやディープラーニング(深層学習)の技術を取り込み、クルマが運転手の行動を先読みしながら運転をサポートできるようになるとしている。
AmazonとGoogleは、共に車載インフォテインメントシステムのために開発したAIプラットフォームをパナソニックなど複数のパートナーと連携しつつ開発を進めているという。CESのカンファレンスでは、音声で車内エアコンを設定するデモを披露。両社共、オフライン環境でもエアコンの操作やパワーウィンドウの開閉など車内設備を音声で操作できる機能を実装するとしている。
欧米ほど、インターネットに常時接続されたコネクテッドカーが普及していない日本では、オフライン環境での音声操作が実現できれば、運転はより快適になるだろう。
事故減らす「認識技術」にも注目
またCES 2018では、トヨタ自動車の米子会社Toyota Research Instituteが自動運転車のプロトタイプ「Platform 3.0」を出展。周囲200メートルの環境を立体的に捉えるLIDAR(LIght Detection And Ranging)システムを備え、全方位を認識できる。
これまで同社の実験車は前方のみを認識していたが、米Luminar製のLIDARを搭載し、外周360度の認識が可能に。肉眼では見えにくい暗い色の物体を含め、車両の周囲を正確に検知できるという。子どもや道路上の障害物など低く小さい対象物を捉えるLIDARも、車両下部のフロントフェンダー両側、前後バンパーの四隅に装着した。
外観はスマートに仕上げ、自動運転技術の装備もコンパクトにまとめ、複数の実験車を容易に作れるようにしたという。
周辺の環境を認識する車載システムは、三菱電機が1月17日に、車載カメラの映像を運転席のモニターに映す「電子ミラー」向けに、クルマの後ろから近づく車両を認識して表示する技術を開発したと発表。
人間の視覚のメカニズムを応用したのが特徴で、映像全体から周囲と比べて輪郭が目立つ部分を優先して注目し、クルマを検出。ディープラーニングを使って車種(トラック、乗用車、バイクなど)まで判別するとし、運転手に注意を促すことで車線変更時などの事故防止につなげるとしている。
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