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蚊は「ゴクゴク」と「ゴックン」飲み分ける 東北大など研究
蚊は「ゴクゴク」と「ゴックン」という2種類の飲み方をしている――とする研究を、東北大学などが発表。マイクロスケールで流体を動かすデバイスの設計などに役立つ可能性があるという。
蚊は「ゴクゴク」と「ゴックン」という2種類の飲み方をしている――東北大学などの研究グループは3月22日、そんな研究結果を発表した。エサを吸血するように飲み込む「連続モード」(ゴクゴク)と、針内が詰まったときや粘り気がある花の蜜を力強く飲むときの「バーストモード」(ゴックン)を使い分けているという。
蚊は頭部に大小2つのポンプを持っているが、その必要性は詳しく分かっていなかった。研究グループはX線を活用した顕微鏡で、蚊の頭部を透視し、ポンプの動きを見えるようにした。ポンプの飲み込むモードを変え、吸い込む力を制御していることが分かったという。
普段は2つのポンプを交互に動かしているが、吸引力を上げたいときは同時にポンプを動かす。粘り気のあるエサを効率的に飲み込むなどして、「過酷な環境を生き延びてきたと考えられる」(研究グループ)としている。
細かいポンプの巧みな吸引方法を解明すれば、マイクロスケールで流体を動かすデバイスの設計などに役立つことが期待できるという。研究成果は、科学誌「Scientific Reports」(電子版)に3月20日付(英国時間)で掲載された。
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