時価総額2位「イーサリアム」初の日本公式イベント 熱気渦巻く
時価総額14兆円の仮想通貨「ビットコイン」に続いて、時価総額4兆6000万円の仮想通貨「Ethereum」(イーサリアム)の日本公式イベントが、3月29日に東京大学(文京区本郷)で行われた。イーサリアムの生みの親である、ビタリック・ブテリンさん(24歳)が講演し、会場は熱気で包まれた。
時価総額14兆円(※)の仮想通貨「ビットコイン」に次いで、時価総額4兆6000万円(※)と2番目の人気を誇る仮想通貨「Ethereum」(イーサリアム)の開発者向け日本公式イベントが、3月29日に東京大学(文京区本郷)で行われた。イーサリアムの生みの親であるヴィタリック・ブテリンさん(24歳)が講演するとあり、会場には約500人の参加者が詰めかけた。
(※CoinMarketCap調べ、3月29日時点)
ビットコインを始めとする仮想通貨は、分散型管理台帳(ブロックチェーン)に仮想通貨の取引履歴を記帳することで、銀行などの主体なしで改ざんの難しい取引履歴を管理できることが特徴。
イーサリアムは取引履歴の他、「スマートコントラクト」と呼ばれる「契約を自動執行する仕組み」をブロックチェーンに乗せることで、分散型のアプリケーション(DApps)を開発するプラットフォームとしても機能する。
一方、ブロックチェーン上でDAppsを大規模に動かすためには、1秒間に15回までしか取引を処理できないイーサリアムの仕様がボトルネックとなっていた。講演では、これを解決するための新技術「Plasma」や「Sharding」の概要を説明した。これらが実装されれば、1秒当たりに処理できるトランザクション量が大幅に増え、DAppsの実用化が見込まれるという。
ゲストには、DAppsの開発者たちが登壇。異なるブロックチェーン同士をつなげて相互運用を目指す「COSMOS」プロジェクトや、スマートコントラクトを通じてコンピュータの計算資源を貸し借りできる「golem」プロジェクトなどを紹介した。
イベントに出席した会場のエンジニアからは、「イーサリアムにこれから実装される技術の分かりやすい解説を聞けてよかった」などと興奮冷めやらぬ声が聞こえた。
主催のイーサリアム・ジャパン・コミュニティーは、今後も日本でイーサリアムの技術を広めるイベントを行っていくとしている。後援するイーサリアム・ファウンデーションの宮口綾さんは、「世界中で起きている不平等や不均衡が、イーサリアムの技術で少しでも解決できたらと思う。日本人はチームワークがうまいので、コミュニティーベースで発展するイーサリアムと相性が良いのではないか」と、日本でイーサリアムの技術者やコミュニティーが育っていくことに期待を寄せた。
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