Instagramは6月5日、写真・動画共有サービス「Instagram」で、ショッピング機能を日本国内でも提供すると発表した。ショッピング用のアイコンが付いた企業の投稿をタップすると、商品の値段など詳細を確認でき、販売しているECサイトにたどり着けるという。
企業向けのビジネスアカウントで、専用のタグを付けて写真を投稿すると、写真の左下にショッピング用のアイコンが表示される。投稿を見たユーザーがアイコンをタップすると、写真に載っているアイテムの商品名と価格が表示され、商品の部分をタップすれば詳細を確認できる。詳細ページには、企業のECサイトなど外部サイトへのリンクが掲載されており、そのまま気に入ったものを購入できる。
また、ビジネスアカウントのプロフィール画面には「ショップ」というタブを追加。ユーザーがこのタブをタップすると、ショッピング機能が使える投稿だけをまとめて表示できるようにした。
Instagramの製品マーケティングディレクターであるスーザン・ローズ氏は「ショッピングの風景が変わりつつある」という。「カタログを見たりショッピングモールに行ったりして買うよりも多くの時間を、スマートフォンなどからの買い物に充てている人が多い。この傾向は海外だけでなく日本でも顕著。日本国内EC市場の売り上げの約35%がモバイル経由だ」(ローズ氏)
この傾向はSNSの影響が大きい。同社の調査によれば「SNSがショッピングの主なきっかけ」と答えた人の割合は47%と半数近くになるという。しかし、これまではInstagram上できっかけを得たユーザーに「実際に商品を購入してもらう」ことは難しかった。そこで導入したのがショッピング機能という。
「Instagramは、興味関心のあるもので人とつながり、新しい情報を発見するプラットフォームとして使ってもらっているが、(企業からすると)ビジネスの結果に直結するプラットフォームとしても利用されてきている。実際にInstagramを活用して売り上げが上がったという声もある」(スーザン氏)
ショッピング機能は、まず2017年3月に米国で導入し、その後ヨーロッパやオーストラリア、韓国などでも展開。日本では数週間前からBaycrews(@baycrews)、BOTANIST(@botanist_official)、creema(@creemajp) 、Gilt Japan(@giltjapan)、minne(@minne_official)、ZOZOTOWN(@zozotown_official)の6つのアカウントがテスト運用していた。
テスト運用に参加したファッション通販「ベイクルーズ」(Baycrews)の馬來真知子氏は「これまでもInstagramは活用していたが、ショッピング機能が加わったことでユーザーの『欲しい』というモチベーションが高い状態で購入までの動線を提供できる。今まで以上にユーザーとのエンゲージメントを高められると思っている」と話す。
ハンドメイドマーケット「minne」の事業部長を務めるGMOペパボの阿部雅幸氏も「これまでInstagramの投稿には『どこで買えますか?』という問い合わせが多かった。キーワードやECサイトのURLなどは載せていたが、購入までのハードルが高かった。ショッピング機能はタップするだけで、作家の作品と購入までをつなげられる」と説明した。
ショッピング機能は企業に無料で提供する。Instagramの広報担当者は「われわれのビジネスモデルは基本的に広告収入。ショッピング機能を使って企業が売り上げを伸ばしても、そこから利用料を取ることはない」とした。
ただし、ビジネスアカウントではユーザーからの反応が多かった投稿を広告として利用し、出稿できるが、ショッピングアイコンを付けた投稿は広告には利用できないとしている。
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